2002 Fiscal Year Annual Research Report
競争・捕食・共生が節足動物群集構造決定に果たす役割
Project/Area Number |
02J11515
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
滝澤 匡 岩手大学, 大学院・連合農学研究科・特別研究員 DC2
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Keywords | アブラムシ / テントウムシ / アリ / 個体数決定 / 捕食 / 共生 |
Research Abstract |
本年度の研究では計画していた(1)生物群集動態の野外調査、(2)室内での個体群レベル要因実験、(3)国際シンポジウムへ出席し発表を行った。 (1)生物群集動態の野外調査 野外の畑でソラマメを栽培し、調査株に見られたアブラムシと天敵である捕食・寄生性節足動物の個体数を調査した。併せて、アブラムシと共生関係にあるアリの調査も行った。現在、これらのデータはアブラムシ捕食者間に見られる競争やギルド内捕食、アリとの共生関係がアブラムシ捕食者群集におよぼす影響などを中心に解析中である。なかでも、大型のテントウムシであるナナホシテントウが小型のクロヘリヒメテントウの個体数決定におよぼす影響や、アブラムシ捕食者間でアリの影響が異なることなど興味深い結果が明らかになりつつある。今後は室内実験の結果と合わせ、データの解析を終了させ、これらをとりまとめて論文を作成し投稿する予定である。 (2)室内での個体群レベル要因実験 アブラムシ捕食者群集で見られる種間関係を明らかにするため、アブラムシやテントウムシ、アリなどを用いた室内実験を計画した。実験に先立ち、これら昆虫の室内飼育が必要となるが、本年度の研究で飼育系の確立に成功した。来年度は上記で見られた種間関係に焦点を当てた個体群レベルの室内実験を予定している。 (3)国際シンポジウムへ出席・参加 ポルトガルで開催された第8回アブラムシ捕食・寄生性天敵国際シンポジウムへ出席した。そこでは、「Effects of ant attendance on abundance of aphidophagous arthropods」のタイトルで研究成果の一部を発表し、海外の著名な研究者より高い評価を得た。
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Research Products
(1 results)