2003 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナを用いた自家不和合性反応過程を制御する遺伝子の正逆両遺伝学的解剖
Project/Area Number |
02J11524
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
高田 美信 岩手大学, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アブラナ科植物 / 自家不和合性 / 花粉-柱頭情報伝達 / 一側性不和合性 / S遺伝子座 / RFLP解析 |
Research Abstract |
昨年度、見い出したS^<52>,S^<60>個体で生じる一側性不和合性は、B.campestrisという同一種内で起こり、さらに従来のような和合性・不和合性系統間で生じるようなものではなく、柱頭側、花粉側両個体ともに自家不和合性系統で起きる現象であった。こうした点から、これまでに報告のない新規な一側性不和合性であることを明らかにした。この現象を解明することにより、受粉時の花粉と柱頭との情報伝達機構の解明に何らかの新しい知見を与えることができるであろうと考え、解析を進めた。 今年度は、花粉側の因子について遺伝学的解析を行った。トルコ由来S^<40>(83-5t)と、日本由来S^<29>(7-5j)系統のF_1,F_2個体の解析を行ったところ、F_1個体3個体はいずれも柱頭側一側性不和合性を持つS^<52>_12,S^<60>_9の柱頭に対して、和合性を示した。F_2集団16個体では、和合性と不和合性の個体が分離してきたことから、この形質が遺伝的に制御されている現象であると考えた。そこで、F_2集団のRFLP解析によりS遺伝子型を決定したところ、この一側性不和合性の表現型の分離はS遺伝子型の分離とは一致しないことを明らかにし、少なくともここ見い出した一側性不和合性において、花粉側表現型とS遺伝子座は、独立の遺伝子座によって制御されていることを明らかにした。さらに、F2分離世代の表現型分離比は、和合:不和合=3:1となったことから、花粉側一側性不和合性が、乳性の1遺伝子座によって支配されることが示唆された。
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Research Products
(1 results)