2004 Fiscal Year Annual Research Report
「ビオガーデン」における資源循環型土壌の物理的評価に関する研究
Project/Area Number |
02J11530
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
武藤 由子 三重大学, 生物資源学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ビオガーデン / 有機性資源 / 物質循環 / 土壌微生物 / 透水 / 土壌水 / 土壌汚染 / 目詰まり |
Research Abstract |
本年度は,土壌中における微生物の挙動を透水との関係に着目して調べ,得られた成果を公表した. 自然界において,土壌微生物は分解者としての役割を担い生態系を維持してきた.現在,バイオレメディエーション等,この土壌微生物のもつ機能を積極的に利用する取り組みが盛んである.土壌微生物の土中における移動は,主に団粒の崩壊や有機物の分解,鉱物の風化等をきっかけとし,透水によって生じると考えられる.こうした土壌微生物の移動過程の理解は,土壌微生物を利用する際のシステム管理と改善に不可欠である.そこで本研究では本年度,多孔質体中における透水に伴う細菌の移動と細菌の多孔質体への目詰まりについて調べる実験を行った. オタワ砂を詰め除菌水で飽和させた円筒型カラムに,細菌分散溶液を一定フラックスで流し,流出溶液の細菌濃度の時間変化を測定した(直接計数法).また,試料内の圧力分布の測定を行った(ノート型PC).透水終了後,カラム内に残った細菌の垂直分布を測定した.細菌は,鉱物油分解用微生物製剤から分離して用いた(ホモジナイザー). 実験の結果,透水による砂中の細菌の移動と目詰まりには,試料の粒度分布や溶質,透水のフラックスが影響することがわかった.今後は,異なる水分状態や細菌の種類による違いを検討する必要がある.
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