2004 Fiscal Year Annual Research Report
性腺ステロイドホルモンによる概日リズムの位相変化メカニズム
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02J11687
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 孝博 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 性腺ステロイドホルモン / エストロジェン / 概日リズム / 位相変位 / ラット / 時計遺伝子 / 卵巣 / KK-1 |
Research Abstract |
卵巣摘除した動物にエストロジェンを慢性投与すると、毎日、午後に排卵性のサージ状LH分泌が起こる。また、この動物の生物時計中枢であるSCNを破壊するとサージ状LH分泌は起こらない。そこで、我々は排卵機構や卵巣ステロイドホルモン分泌が卵巣の分子時計機構とどのような関係があるかを検討した。 成熱雌性ラットを2週間にわたり膣垢スメアを指標に個々の動物について性周期を調べ、発情前期と非発情第1日に4時間毎24時間で卵巣のサンプリングを行い、時計遺伝子発現の日周変動を解析した。その結果、卵巣におけるPer1遺伝子発現は、発情前期では明白な発現リズムを持っていたが、非発情第1日では発現リズムが減弱していた。これらの予備実験の結果をもとに、改めてラットが持つ4つの性周期ステージ(発情期→非発情第1日→非発情第2日→発情前期)のすべてにおける卵巣での時計遺伝子発現の日周変動について検討した。その結果、卵巣におけるPer1遺伝子発現は、発情期から発情前期にかけて徐々に日周変動の振幅が増していることが明らかとなった。 さらに、我々は、性周期のステージごとに血中濃度が大きく変化するエストロジェン、プロジェステロン、LH、FSHの卵巣の細胞における時計遺伝子に与える効果を、培養細胞を用いて検討した。マウス卵巣顆粒層細胞株であるKK-1細胞を用い、各種ホルモンのPer1,Per2遺伝子発現に与える効果を検討した。その結果、今回実験に用いた全てのホルモンはPer2遺伝子発現量に影響を与えなかったが、Per1遺伝子発現量にプロジェステロンは増加させる効果を、エストロジェンとFSHは減少させる効果を示した。これらのことから、時計遺伝子は卵巣の主な機能である排卵や卵巣ステロイドホルモン分泌の制御に関わっていることが考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Importin alpha /beta mediates nuclear transport of a mammalian circadian clock component, mCRY2, together with mPER2, through a bipartite nuclear localization signal.2005
Author(s)
Sakakida Y, Miyamoto Y, Negoshi E,, Akashi M, Nakamura TJ, Mamine T, Kasahara M. Minami Y, Yoneda Y, Takumi T.
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Journal Title
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