2003 Fiscal Year Annual Research Report
グループホームにおける痴呆性高齢者の生活行動の変化に関する縦断的研究
Project/Area Number |
02J11840
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
大川 美佐子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 痴呆性高齢者 / グループホーム / 住環境 / 心拍反応 |
Research Abstract |
デイケアを利用している痴呆性高齢者25名を対象に、デイケアでの行動観察と心電図の周波数解析を行い、生活行動と自律神経系との関連について検討した。HFを副交感神経、LF/HFを交感神経の指標とした。その結果、「手作業」「テレビをみる」では、痴呆レベルに関係なくHFが優位である傾向がみられた。一方、「利用者との会話」では、痴呆レベルと関係なくLF/HFが優位である傾向がみられた。さらに、「レクリエーション」および「介護者との会話」では,一定の傾向がみられず,今後,「レクリエーション」の内容および会話の内容等について更に詳細な検討が必要である。 形態が異なるグループホームに入居している痴呆性高齢者14名を対象に行動観察と心電図の24時間連続測定を行った。追跡調査が可能であった7名においては、初回の調査から3ヶ月ごとに同様の調査を行い、痴呆性高齢者の生活行動の継時的変化を明らかにし、生活環境や介護者の関わり方について検討した。調査内容および分析は、デイケアと同様の方法を用いた。分析の結果、痴呆レベルが維持された対象者は「入居者との会話」「家事」「テレビをみる」においてHF優位であり、「介護者との会話」においてLF/HF優位である傾向が認められた。痴呆レベルが低下した対象者は、「家事」においてLF/HF優位である傾向が認められた。「テレビをみる」に関しては、痴呆レベルが低下した対象者においてもHFが優位である傾向が認められた。「介護者との会話」および「入居者との会話」に関しては、痴呆レベルが低下した対象者の中にもHFが優位である対象者も認められた。攻撃的言動がみられた対象者は、「入居者との会話」でLF/HFが優位である傾向が認められた。今後、追跡調査を行うと同時に、生活環境と対象者の行動および心拍反応との関連についても検討することが必要である。 調査を行うにあたり、本人または家族に調査内容について十分な説明を行い、書面において同意を得た。
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Research Products
(2 results)