2004 Fiscal Year Annual Research Report
菌類ウイルスによる果樹類白紋羽病菌の病原力低下要因の解明
Project/Area Number |
02J20002
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Research Institution | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
Principal Investigator |
佐々木 厚子 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 果樹研究所・生産環境部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 菌類ウイルス / 人工接種 / 病原力低下 / シークエンス解析 / ウイルスフリー化 |
Research Abstract |
1)W8株で見出されたRosellinia necatrix PartitivirusL-W8(RnPV1-W8)のシークエンス解析 RnPV1-W8発現ベクターを構築するためRnPV1-W8のシークエンス解析を再度行ったところ、5末端非翻訳領域に既存のシークエンスに加えて1塩基Aの付加があることを見出した。 2)W370株で見出されたMycoreovirus 3 Rosellinia necatrix W370(MYRV3-RnW370))感染株の解析 MYRV3-RnW370を感染させたW37株とW97株ではウイルスは菌体内に不均一に存在し、培養性状とは必ずしも一致しなかった。 3)W287株で見出されたウイルス(L-dsRNA-W287)の解析 L-dsRNA-W287のシークエンス解析を行ったところ、Totiviridaeに属するウイルスであると考えられた。またW287株自体はウイルスフリー化出来なかったことから、プロトプラスト融合によって、L-dsRNA-W287が感染したW37株を得た。L-dsRNA-W287は感染株の培養性状、病原力に影響をおよぼさなかったことから、病原力の弱さは株自体の性質であると考えられた。 4)ウイルスのdouble-infection株の作出 W37株は幾つかの異なるウイルスを単独感染させた株が得られている。これらを対峙培養してRnPV1-W8とMYRV3-RnW370またはL-dsRNA-W8またはL-dsRNA-W287が重複感染したW37株を得た。これらの株のうちRnPV1-W8とL-dsRNA-W287の重複感染株は無病徴だった。RnPV1-W8とMYRV3-RnW370の重複感染株は病原力が低下したが、重複感染の影響ははっきりしなかった。RnPV1-W8とL-dsmA-W8の重複感染株は病原力が低下した。
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Research Products
(4 results)