2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J20009
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
寺見 浩美 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ES細胞 / 心筋分化 |
Research Abstract |
心臓は個体発生段階の早期に臓器として最も早く発生し、拍動を開始する。心筋細胞は胎生期に活発に分裂増殖を続けるが、出生すると分裂能を喪失する。心筋細胞は骨格筋細胞と異なり再生能力がないため、重度の心疾患の治療は困難であると考えられてきた。心筋細胞の特異性を決定している因子を同定し、心臓の分化発生を制御するメカニズムを理解することは、再生医療の応用面においても重要な課題になってきた。 胚性幹細胞(ES細胞)は分化全能性を持ち、試験管内で様々な細胞に分化させることができる。マウスES細胞をLIF(Leukemia inhibitory factor)非存在下で形成させた胚様体では、外胚葉、中胚葉、内胚葉の細胞が分化し、1週間ほどで自律拍動する心筋細胞が発生することがわかっている。これまでの研究により、胚様体の発達に伴う心臓特異的タンパク質の発現や特性の変化は、胎生期における心筋細胞の分化をよく再現していることがわかってきた。 本研究は、マウスES細胞を用いてES細胞から心筋細胞へと効率よく分化誘導させる系の確立をめざし、Nkx2.5-GFPノックインES細胞を用いて、(1)分泌性シグナル因子Wnt11が心筋分化に大きな影響を与える因子であることを明らかにした。また、(2)培地に含まれる血清の濃度を変化させることにより、胚様体における心筋特異的タンパク質を発現する細胞の割合が増加することを見出した。
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Research Products
(1 results)