2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経細胞膜機能に及ぼす食品成分の影響に関する研究
Project/Area Number |
02J20016
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
白井 展也 独立行政法人食品総合研究所, 食品機能部, 特別研究員(PD)
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Keywords | DHA / カテキン / セラミド合成酵素 / 脳 / マイクロソーム |
Research Abstract |
DHAを若齢および老齢マウスに摂取させ、脳マイクロソーム画分にあるコレステロールの合成律速酵素であるHMG-CoAレダクターゼの活性について測定を行った。その結果、DHAの摂取によりHMG-CoAレダクターゼの活性は若齢で有意に低下し、老齢で有意に高くなった。また、小胞体ストレスからのアポトーシスシグナルであるカスパーゼ-12の活性について検討を行った。その結果、カスパーゼ-12の活性は若齢と老齢マウスともにDHAまたはカテキンを摂取することによる影響はみられなかった。また、βアミロイド1-40を脳内に注入し、ヵスパーゼ-12の変化を確認したが、βアミロイド1-40の注入による変化は認められなかった。本年度はDHAまたはカテキンをマウスに摂取させ、脳マイクロソーム画分の、糖脂質合成の中心酵素の一つであるセラミド合成酵素の活性に与える食品成分の影響について検討を行った。その結果、カテキンまたはDHAの摂取によりセラミド合成酵素の活性が高まり、カテキンおよびDHAの摂取はセラミド合成を促進する効果があるものと推定された。これらの結果からDHAまたはカテキンの摂取は脳内のコレステロールや糖脂質の生合成に影響し、脳機能改善などに影響している可能性が考えられた。今回の研究において、DHAやカテキンの摂取により、脳内のコレステロール合成酵素およびセラミド合成酵素が変化すること、また脳内のカスパーゼ-12の活性にこれらの食品成分は影響しないことが明らかになった。これまで不明であったこれらの酵素と食品成分との関係が明らかになったことは、脳機能改善の研究において大きな進展であると考える。
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Research Products
(1 results)