2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J20020
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
明石 真 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 神経科学部門, 特別研究員(SPD)
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Keywords | 概日リズム / BMAL1 / 遺伝子発現 / 核内受容体 / ROR alpha |
Research Abstract |
今年度は、主に、時計遺伝子の転写活性化をリアルタイムで検出するシステムを構築し、この系を用いて時計遺伝子BMAL1の概日遺伝子発現メカニズムを解析した。概日リズムは、転写因子であるBMAL1とCLOCKのヘテロ二量体がPeriodとCryptochromeの転写を活性化し、転写翻訳されたPERIODとCRYPTOCHROMEがBMAL1とCLOCKの転写活性を抑制するという転写のネガティブフィードバックループによって形成されると考えられている。一方、BMAL1自身もその遺伝子発現において概日変動が見出されており、これは核内受容体であるRev-erb alphaによって制御される事が示唆されている。我々は、このRev-erbが転写抑制因子である事から、転写活性化因子の存在によってBMAL1のより安定で健常な概日遺伝子発現が可能になるという仮説を立てた。Rev-erbのDNA結合配列と別の核内受容体であるRORのDNA結合配列において相同性が高い事から、RORがREと拮抗して働くBMAL1の転写活性化因子であることが予想された。まず我々は、ルシフェラーゼアッセイによりROR alphaがBMAL1の転写を活性化し、この活性化がRev-erbによって抑制される事を示した。また、ドミナントネガティブ型のROR alphaを過剰発現すると、BMAL1の概日遺伝子発現が強力に抑制される事を、先のリアルタイム検出系を用いて示す事ができた。さらに、ROR alphaによる転写活性化が直接BMAL1プロモーターに結合する事によって引き起こされる事を示し、このROR alphaによって転写活性化される際に必須のプロモーター部位が、BMAL1の概日遺伝子発現においても必須であることも示した。また、内因性のROR alphaをアンチセンス発現やRNA干渉によってノックダウンすると、この際BMAL1の概日遺伝子発現の振幅レベルが抑制されることを見出すことができた。以上の事からROR alphaはBMAL1の転写を正に制御することによって、BMAL1の安定で健常な概日遺伝子発現を維持する因子であることが示された。
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Research Products
(1 results)