2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J20020
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
明石 真 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 神経科学部門, 特別研究員(SPD)
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Keywords | 概日リズム / 核内受容体 / 転写 / 時計遺伝子 |
Research Abstract |
概日リズムは、転写因子であるBMAL1とCLOCKのヘテロ二量体がPeriodとCryptochromeの転写を活性化し、転写翻訳きれたPERIODとCRYPTOCHROMEがBMAL1とCLOCKの転写活性を抑制するという転写のネガティブフィードバックループによって形成されると考えられている。一方、BMAL1自身もその遺伝子発現において概日変動が見出されており、これは核内受容体であるRev-erbalphaによって制御される事が示唆されている。Rev-erbのDNA結合配列と別の核内受容体であるRORのDNA結合配列において相同性が高い事から、RORがREと拮抗して働くBMAL1の転写活性化因子であることが予想された。我々は、ドミナントネガティブ型のRORalphaを過剰発現すると、BMAL1の概日遺伝子発現が強力に抑制される事を発見した。さらに、RORalphaによる転写活性化が直接BMAL1プロモーターに結合する事によって引き起こされる事を示した。また、内因性のRORalphaをアンチセンス発現やRNA干渉によってノックダウンすると、この際BMALIの概日遺伝子発現の振幅レベルが抑制されることを見出すことができた。さらに動物個体でRORalphaが概日時計において機能する事を確認するために、RORalphaの変異体マウスを用いて行動の概日リズムを測定したところ、行動リズムの周期が短くなる事が明らかになった。この変異体マウスの繊維芽細胞においてBMAL1の発現変動を調べた所、BMAL1の発現変動の振幅レベルが抑制される事も確認した。以上の事からRORalphaはBMAL1の転写を正に制御することによって、BMAL1の安定で健常な概日遺伝子発現を維持する因子であることが示された。
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