2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J20028
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
伊勢村 武久 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝資源研究グループ, 特別研究員(PD)
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Keywords | アズキ / SSRマーカー / 連鎖地図 / 栽培化 / Domestication syndrome / QTL解析 |
Research Abstract |
アズキ(Vigna angularis)とその近縁野生種であるV.nepalensisとの交雑に由来する2つの集団(BC_1F_2およびF_2)を用いて、平成15年および平成16年の2年に渡って33の栽培化関連形質(Domestication syndrome)のQTL解析を行った。 その結果、各連鎖群におけるDomestication syndromeに関するQTLの分布には著しい差異が認められ、12.5%以上の効果を持ったQTLの分布は第1、2、4、7および第9連鎖群に限られていた。第1連鎖群は種子休眠性の消失および茎、莢、種子などの器官の巨大化に重要な役割を果たしていた。第2連鎖群は種子の巨大化および上胚軸、下部節間などの初期成育に関係する器官の巨大化に重要な役割を果たしていた。第7連鎖群は莢の変化(裂莢性の消失および莢の巨大化)および草型の変化(茎長の矮化および蔓性の消失)に関係していた。第9連鎖群も第7連鎖群とともに草型の変化に関係していた。第4連鎖群には、上胚軸色および種皮上の黒斑を支配する遺伝子がマップされた。 また、平成16年度には、アズキとその祖先野生種(ヤブツルアズキ)との交雑に由来するF_2集団を用いて186個のSSRマーカーによる連鎖地図を作成した。この地図の全長は836cMであり、この地図の連鎖群はアズキとV.nepalensisとの雑種集団を用いて作成した地図のそれらと一対一で対応していた。また、各連鎖群におけるマーカー順序も完全に一致していた。本集団の育成に用いた両親間では多型頻度が低かったために、末端領域をカバーできなかった連鎖群(第3および4連鎖群)やマーカー間の距離が著しく大きな領域を持つ連鎖群(第2、4および9連鎖群)が存在した。現在、これらの領域をうめるマーカーを検索しており、今後、地図が完成しだいDomestication syndromeに関するQTL解析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)