2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J20058
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
松永 渉 国立長寿医療センター, (研究所)・老化機構研究部, 外来研究員
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Keywords | BDNF / GDNF / ノルアドレナリン / セロトニン |
Research Abstract |
本研究はアルツハイマー病における、アストロサイト、ミクログリアなどの非神経細胞の関連と機能を明らかにすることを目的としている。本年度は前年に引き続き、アストロサイトの活性化阻害の実験を試みている。また、計画通りアストロサイトにおけるアミロイド前駆体タンパク(APP)の発現阻害の実験も開始した。しかし、活性化したアストロサイトではAPPの合成があると報告されているものの、免疫染色により確認を試みたが、発現は確認できていない。Immediate early geneや細胞骨格系のタンパク等では、mRNAレベルが上昇してもタンパクレベルの発現が変化しないという現象はいくつかあるため、アストロサイトのAPPもそのようなものかもしれない。 また、アストロサイトでも合成される神経栄養因子である脳由来神経栄養因子(BDNF)やグリア細胞由来(GDNF)は、アルツハイマー病の治療法として注目されているため、前頭葉および海馬回における神経栄養因子含有量の老化に伴う変化を調べた。その結果、前頭葉ではBDNFは加齢によって変化しないが、GDNFの発現量は加齢よって増加し、反対に海馬回では、BDNFの発現量が加齢によって増加し、GDNFの発現量は加齢によって変化しないことがわかった。こうした差はそれぞれの部位における加齢現象の違いにも現れると考えられた。そこでアストロサイトの加齢変化を調べたところ、海馬回では極めて少数ながら、Aβ1-40抗体陽性のアストロサイトが観察された。しかし、その意義は今のところ不明である。また、アストロサイトの活性化との関連が指摘されているノルアドレナリン性神経線維の加齢変化を調べた。また、神経栄養因子、特にBDNFに対する感受性が高いとされているセロトニン性神経線維の加齢変化も調べた。
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