2003 Fiscal Year Annual Research Report
胚中心における免疫記憶の誘導、維持に関与する分子機構の解明
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02J20062
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
錦見 昭彦 国立療養所中部病院, 長寿医療研究センター・老化機構研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 胚中心 / B細胞 / 免疫記憶 / シグナル伝達 / Cdc42 / PHドメイン / cDNAサブトラクション / in vitroキナーゼアッセイ |
Research Abstract |
免疫記憶形成の場である胚中心に見られる成熟B細胞において、それら以外のB細胞と比較して発現が増強している遺伝子群を得るにあたり、免疫後10日のマウスの脾臓より胚中心のB細胞とそれ以外のB細胞を分離し、それぞれの細胞群から調製したcDNAを用いて、cDNAサブトラクションを行った。得られたcDNA群をほ乳類発現ベクターに組み込み、胚中心B細胞で高発現している遺伝子群のベクターライブラリーを作製した。このライブラリーをCOS1細胞に導入してin vitroキナーゼアッセイを行い、遺伝子産物に由来するリン酸化反応がみられた細胞群からプラスミドを回収し、一連の操作を繰り返した。この様なスクリーニングの結果得られた遺伝子のひとつが、新規タンパク(SPH238)の一部をコードするものであることが明らかになった。SPH238のcDNAの全タンパクコード領域を解析したところ、このタンパクが2038アミノ酸よりなるタンパクで、N末端領域にPHドメイン(イノシトールリン酸系のシグナル伝達に関与する)、中間部およびC末端領域にそれぞれCZHドメイン(Rhoファミリー低分子量Gタンパク活性化に関与する)を有することが明らかになった。さらに、種々のRhoファミリー低分子量Gタンパクとの結合活性から、SPH238のC末端のCZHドメインが、Cdc42と特異的に相互作用を持つことが示された。また、ノーザンブロッティングによる発現解析により、SPH238が脾臓で高発現していることが明らかになり、このタンパクが免疫系の細胞において、Cdc42の活性調節を介したシグナル伝達に関わっていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yagi A, Hasegawa Y, Xiao H, Haneda M, Kojima E, Nishikimi A, Hasegawa T, Shimokata K, Isobe K.: "GADD34 induces p53 phosphorylation and p21/WAF1 transcription."Journal of Cellular Biochemistry. 90・6. 1242-1249 (2003)