2003 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜における固有ジョセフソン接合の作製とテラヘルツ電磁波検出技術の開発
Project/Area Number |
02J20072
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
久米 英司 独立行政法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | 酸化物高温超電導体 / 固有ジョセフソン接合 / テラヘルツ電磁波 |
Research Abstract |
成膜温度と組成比に注目しながらBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+d>(Bi-2212)薄膜をPLD法により成膜し、その後Ar+O_2雰囲気中でアニール処理を施した。成膜時の基板温度が400℃程度では黄褐色なアモルファスの薄膜となり、476℃では酸化され黒くなるがまだアモルファスである。550℃程度になると結晶化し始めるがそれとともにBiおよびSrの組成比が減少することがわかった。また、CaとCuについては成膜温度には依存せず組成比は常にほぼ一定だった。それに対して成膜後の高温アニールではアニール温度が865℃前後においてもBi、Srともに組成比は成膜直後と比べてあまり変化しなかった。また、高温アニールすることにより73K程度で超伝導転移するようになり、さらに2μm四方の表面二乗粗さが3nm程度の平坦性が得られた。これより、成膜温度は550℃程度、アニール温度は865℃程度が適していると思われ、メサ型固有ジョセフソン接合の作製が期待できる。その後Bi-2212薄膜の加工技術の改良を行った。MgOでコーティングすることにより、加工後においてもJ_c〜10^6A/cm^2を示した。しかし、まだ良好なジョセフソン接合を作製することにはいたらず更なる改良が必要である。 また、検出器としてYBa_2Cu_3O_<7-d>(YBCO)薄膜を用いたジョセフソン接合の作製も試みた。MgOバイクリスタル基板上にYBCO薄膜をPLD法により成膜した。臨界温度が90K程度の薄膜が作製できた。また良好なジョセフソン接合も作製でき、磁場応答(フラウンホーファーパターン)や数百GHzに対応するシャピロステップも観測された。
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Research Products
(1 results)