2004 Fiscal Year Annual Research Report
超低損失パワー半導体デバイス実用化のための回路・実装技術の開発に関する研究
Project/Area Number |
02J20094
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高尾 和人 独立行政法人産業技術総合研究所, パワーエレクトロニクス研究センター, 学振特別研究員(PD)
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Keywords | シリコンカーバイド半導体 / 高周波スイッチング / ショットキーバリアダイオード / 高パワー密度電力変換器 / パワーエレクトロニクス |
Research Abstract |
シリコンカーバイドショットキーバリアダイオード(SiC-SBD)半導体を用いることによる電力変換器の損失低減効果について定量的に評価した。本研究では定格電圧・電流が600V/6AのSiC-SBDについて実験による評価をおこなった。 はじめに,現状の電力変換器に使用されているシリコンPiNダイオード(Si-PiN)とSiC-SBDのスイッチング損失を比較した。スイッチング電圧300V,電流6A,スイッチング電流変化率(di/dt)400A/μsの動作条件において,SiC-SBDのスイッチング損失はSi-PiNと比較して,動作温度25℃において約13%,150℃においては約.3%の値まで減少することが明らかとなった。 つぎに,SiC-SBDを用いることによるスイッチングデバイスの損失低減効果を調査した。スイッチングデバイスにはSi-IGBTを使用した。スイッチング電圧300v,電流10A-20Aの動作条件において,Si-PiNを用いた場合と比較して,SiC-SBDを適用するとSi-IGBTの全スイッチング損失(ターンオン損失+ターンオフ損失)は,50%程度の値に低減することが分かった。この結果から,SiC-SBDを用いることにより,Si-IGBTのスイッチング周波数は現状の2倍程度まで高くできることが予測できる。 本研究により,SiC-SBDを用いることによるデバイス損失の低減効果が定量的に明らかとなった。また,本研究成果は太陽光発電などの分散電源システムや電気自動車等のパワエレシステムにニーズのある超低損失・小型電力変換器を実現するためには,SiC-SBDの適用が不可欠であることを示唆する。
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Research Products
(1 results)