2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物におけるストレス耐性に関与する遺伝子群の同定とその機能解析
Project/Area Number |
02J20110
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
明石 英雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | リボザイム / RNAi / ストレス関連遺伝子 / Pol IIIプロモーター / インターフェロン応答 / PKR |
Research Abstract |
植物細胞における効果的なリボザイム発現形の構築に向け,Nicotiana rustica由来のtRNACys, Nicotiana tabacum由来のtRNATyr, Phaseolus vulgaris由来のtRNALeu, Glycine max由来のtRNAMet(i), Arabidopsis thaliana由来のU6プロモーターをコードするプラスミドを構築した。エレクトロポーレーションにより,タバコBY-2培養細胞に一過的にそれらの遺伝子を過剰発現させたが,それらによってリボザイムの切断活性はほとんど見られなかった。その原因のひとつとして,哺乳動物細胞の培養温度が37℃であるのに対し,植物培養細胞では27℃であることが考えられた。そこで,遺伝子発現を制御する方法として,カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターによる長い二重鎖RNA発現ベクターを用いたRNAi法を検討している。 また,哺乳動物細胞においてRNAiを用いたストレス耐性に関与する遺伝子の研究も同時に進めている。現在のところ,哺乳動物細胞でRNAiは非常に強力な遺伝子発現制御法として注目されている技術であるが,標的RNA配列によっては細胞にストレスを与え,インターフェロン応答に関わる遺伝子を誘導することが問題となっている。現在までの私の研究により,そのストレスの指標となるPKRの発現を抑制するような方法を発見したので,論文の投稿を準備している。
|
-
[Publications] Hideo Akashi: "RNAi expression vectors in plant cultured cells."Methods in Molecular Biology. in press. (2004)
-
[Publications] 明石 英雄: "siRNAの威力と展望"バイオサイエンスとインダストリー. 62(3)(in press). (2004)
-
[Publications] 明石 英雄: "RNAiとは"実験医学. 22(4). 450-455 (2004)
-
[Publications] 明石 英雄: "最近の動向-医学を中心に"遺伝子医学. 7(3). 16-20 (2003)
-
[Publications] 多比良 和誠: "実験医学別冊 注目のバイオ実験シリーズ RNAi実験プロトコール"羊土社. 178 (2003)
-
[Publications] M.Miyagishi: "RNA Interference : From Basic Science to Drug Development."Cambridge University Press(in press). (2004)