2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳波・脳磁波計測による高次精神活動および精神活動に対する音楽・香り刺激の影響
Project/Area Number |
02J20126
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
須谷 康一 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学部門・くらし情報工学グループ, 特別研究員(PD)
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Keywords | 脳磁波 / 神経活動源推定 / 高次精神活動 / 匂い / 非侵襲脳計測 / 嗅覚刺激装置 |
Research Abstract |
非侵襲脳計測法の一つである脳磁波計測は、高い時間解像度と脳内信号源の経時的な動きを推定できる特徴を有しており、これらの機能により高次精神活動の機構解明が可能になりつつある。 一方、ヒトは日々精神活動を営みながら生活しているが、同時に、環境からのストレスにさらされている。そのため、精神的な癒しやリラクゼーションのため、音楽療法やアロマテラピーなどが注目されている。しかし、これら音楽や香りなどの高次精神活動への影響については、科学的に検証されている例は多くない。 そこで、申請者は、高次精神活動中に音楽や香りを呈示した場合の影響について実証的に解明すること目的として、本研究を行うものである。 実験では、(1)被験者に与える高次精神活動タスクをデザイン、(2)脳磁波測定のためシールドルーム内でタスクの呈示方法、(3)被験者からの完了の報告の検知、(4)脳磁波の測定、(5)脳磁波の解析、がすべて行えないと成立しない。 今年度は、(2)脳磁波測定のためシールドルーム内でタスクの呈示方法を中心に検討を行った。 脳磁波計測を行うためには磁場を遮蔽しなくてはならない。そのためパーマロイを用いた3層のシールドルームを利用し、シールドルーム内で使用する物品は非磁性製品に限られる。このような制約のため、香りの発生装置もシールドルーム内に設置できず、シールドルーム外に設置し、チューブでシールドルーム内へ搬送しないといけない構造になる。 今年度はこの香り刺激装置を一新し、新たに製作を行った。香り物質の漏れを無くすために、二重構造とし、常に引圧を保つように、最大7種類の香りを制御できるよう設計した。またテフロンチューブやテフロンジョイントも新たに設置しなおす工事を行った。さらに被験者に提示するためのマスクやカニューレなどを素材から見直し、香り物質の吸着が起こりにくいよう、被験者のフィット感が良いように改良を行った。
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