2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J20127
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
浜名 洋 独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 嗅覚レセプタ / 機能発現 / カルシウムイメージング |
Research Abstract |
14年度では、ロドプシンのタグ配列をN末端に付加した嗅覚レセプタを発現するプラスミドおよび、嗅覚レセプタに共役させるGタンパク質としてG_<α15>を発現するプラスミドを構築したが、所有するHEK293細胞にトランスフェクションした限りでは、匂い応答が生じる細胞は見いだせさせなかった。 15年度は、ロドプシンの配列と同様に嗅覚レセプタの細胞膜への発現を促進すると報告されているIHS(Influenza Haemagglutinin Signal Sequence)をロドプシンのタグ配列の代わりに嗅覚レセプタのN末端に付加した発現ベクターの構築を行った。また、嗅覚レセプタとG_<α15>の共役を改善する可能性が期待されるマウスのG_<α11>遺伝子をクローニングし、C末端のアミノ酸残基5つがマウスG_<olf>のアミノ酸残基になるように変異を導入した遺伝子G_<α11-olf>を作成した。そして、これらの新しい発現プラスミドが嗅覚レセプタの機能解析が十分に出来る程度に細胞内カルシウムイオンの増加を誘導できるかどうか検討するための実験を行った。まず、用いる培養細胞がGPCRの機能発現系として利用可能であることを、β2-アドレナリンレセプタを用いたポジティブコントロール実験で確認した。この結果、リガンドであるイソプロテノールに対して、一過性の細胞内カルシウムイオン濃度の増加が認められ、アドレナリンレセプタ、G_<α15>、G_<α11-olf>はCHO細胞、神経由来細胞、嗅上皮由来細胞で機能的に発現することが確認された。しかし、嗅覚受容体では、そのリガンドである匂い分子に対する応答は見られなかった。 現在、これらの細胞の内で嗅覚レセプタの機能発現に最適な条件を実験的に検討している。
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Research Products
(1 results)