2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経堤細胞の分化運命決定におけるGDNFファミリーの機能解明
Project/Area Number |
02J20131
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
本間 豊 国立精神・神経センター, 代謝研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 神経堤細胞 / 分化 / 交感神経 / 感覚神経 / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
神経堤細胞は交感神経・感覚神経・副腎髄質等多様な細胞へと分化することが可能で、多分化能細胞種の代表ともいえる。しかしその分化能を獲得するメカニズムに関しては転写調節因子を含むいくつかの分子の関与が示唆されているものの、いまだ未解明のことが多く残されている。最近の研究では神経堤細胞の分化にNotchのような細胞間シグナルが重要であることが示唆されているが、これに加え多くの液性因子も関与しているものと考えられる。なかでもGDNFファミリーの一つであるArtemin (ARTN)のノックアウトマウスの解析によって、神経堤細胞の早期分化あるいは移動経路の決定という過程においてARTNが重要であることが示唆された。 これまでの研究によりGDNFのレセプターとして知られるRetおよびそのコレセプターであるGFRαが神経堤細胞に発現していることが明らかになった。またラット胎児より確立した初代培養神経堤細胞にも同様にRetおよびコレセプターの発現が確認され、GDNFファミリーが神経堤細胞にたいしてなんらかの機能があると考えられた。 そこで神経堤細胞の形成あるいは移動がhanging drop culture methodをもちいた胎児のtail部分培養で観察できることを確認できたため、この系をもちいてGDNFファミリーの神経堤細胞に及ぼす影響を検討した。その結果ARTNを結合させたビーズを培養と同時に片側に埋め込み24時間培養をおこなったあと神経堤細胞に発現するSox10のin situ hybridizationを行うと、このビーズを埋め込んだ側で神経堤細胞の形成の増加ととれる所見が観察された。しかし最初に予想されたような移動への影響はあまり認められなかった。以上の結果はすくなくともGDNFファミリーのひとつであるARTNが神経堤細胞の発生に関与していることを示唆し、今後はより詳細にその関与の仕方を明らかにしていくことが必要であると思われた。
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Research Products
(1 results)