2003 Fiscal Year Annual Research Report
高性能高エネルギー2次元型X線検出器の技術開発と物質構造研究への応用
Project/Area Number |
02J20154
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
広田 克也 独立行政法人理化学研究所, イメージ情報研究ユニット, 協力研究員
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Keywords | 放射光 / 高エネルギーX軸 / シンチレーション検出器 |
Research Abstract |
今年度行った研究活動として、厚さ200μmのプラスチック薄板シンチレータを準備してシンチレーター側面からの光読み出しテスト、波長変換材POPOPを用いたシンチレーション光の測定を行った。 プラスチックシンチレーターはX線に対する検出効率の悪さ、シンチレーション光量の小ささ等の問題があるが、加工がしやすく安価に入手できることから初期のテストには充分と判断した。実際の測定で用いる高エネルギーX線は放射光施設を用いないと使用できないので、同じエネルギーをシンチレーターに与える電子線源を用いてテスト測定を行った。測定の結果、シンチレーター側面からの読み出しは200μmの厚さでも充分可能であることが判明した。その一方で光電子増倍管の光電面に電子やX線などが衝突するときに発生する信号強度が非常に高いことも判明した。これはノイズとして検出装置のS/N比を悪くする。これを改善するためにはシンチレーション光の光量を増加させるか、光電子増倍管からの出力信号を大きくする必要がある。そこで高量子効率光電子増倍管を用いることとし、この光電子増倍管の波長特性に合うように、波長変換材を用いてシンチレーション光の波長を変換させ、S/N比の改善を図ることとした。この測定においては波長変換材POPOPをクロロホルム溶液に溶かすことで高効率の波長変換材を作ることができた。現在、固体状の波長変換材の作製に取り掛かっている。 これらの研究結果に関しては本年度1月に開かれた国際会議「PSND2004」、京都大学で開かれた研究会「中性子スピン光学研究会」、3月に行われた「第59回日本物理学会」において発表を行った。
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