2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規DNAシャフリング技術の確立と高機能タンパク質創製への利用
Project/Area Number |
02J20157
|
Research Institution | Research Institute for Biological Science Okayama |
Principal Investigator |
森 光一 岡山県生物科学総合研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | DNAシャフリング / タンパク質工学 / ホスホリパーゼD / 耐熱性 |
Research Abstract |
大腸菌ssb変異体の高頻度欠失突然変異誘発能を利用した新規in vivo DNAシャフリング系を構築した。宿主としてはssb-3変異株にrpsL変異を導入し、ストレプトマイシン(Sm)耐性を獲得した大腸菌株を用い、シャフリングの標的遺伝子としては、2種類の放線菌(K6株およびTH-2株)ホスホリパーゼD(PLD)遺伝子を用いた。2つのPLD遺伝子をタンデムに並べ、さらにPLD遺伝子間に野生型(Sm感受性)rpsL遺伝子およびゲンタマイシン耐性遺伝子を挿入したプラスミドを構築し、これを用いてin vivo DNAシャフリングを試みた。その結果、rpsLのプラスミドからの脱落に伴う、宿主のSm耐性への復帰を指標とすることで、標的遺伝子を発現させず、かつ簡便にキメラ形成を検出可能であることを見出した。この特徴は、宿主に対して毒性をもつ蛋白質への応用において有利である。また、ssb-3変異株でのキメラ形成頻度はssb野生株の1000倍以上であり、ssb-3変異株を用いる優位性を確認できた。Sm耐性復帰株のPLD遺伝子を解析した結果、キメラ形成は親遺伝子間の短い相同配列部分で起きており、多様性をもったキメラPLD遺伝子群が得られた。それらのキメラPLDを発現・精製した後、耐熱性を比較することで、耐熱性に寄与するアミノ酸残基を探索した。その結果、PLDの426および433番目のアミノ酸残基が耐熱性に関与しており、それらの残基がTH-2株型の場合よりもK6株型の場合のほうが耐熱性が向上することを見出した。また、TH-2株PLDのこれらの位置にK6株型の残基を導入することでTH-2株PLDの耐熱性を向上させることに成功した。これらの結果から、このin vivo DNAシャフリング系は、蛋白質の機能解析や機能向上に有用であると考えられる。
|
Research Products
(1 results)