2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復過程におけるクロマチン構造の影響とその構造変化制御機構の解明
Project/Area Number |
02J20162
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
安田 武嗣 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線安全研究センター・低線量生体影響プロジェクト, 特別研究員(PD)
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Keywords | XPC / UV-DDB / ヒストン / クロマチン / ヌクレオソーム / ヌクレオチド除去修復 / アセチル化 / 紫外線損傷 |
Research Abstract |
ヌクレオチド除去修復(NER)は、紫外線や化学物質などによるDNA損傷の修復に関わっている。ゲノム全体を対象としたNERにおいては、特異的なDNA結合タンパク質による損傷認識に続いて、損傷塩基を含むオリゴヌクレオチドが切り出される。真核細胞では、クロマチン構造をとったDNAに発生した損傷を認識して修復しなければならないことから、我々はヒトNER反応に関わる損傷認識因子であるXPC複合体とUV-DDBのDNA結合に及ぼすヌクレオソーム構造の影響を調べた。XPC複合体は紫外線損傷の(6-4)光産物などに対して特異的に結合するが、裸の非損傷DNAに対しても非特異的に結合するため、裸の非損傷DNAを過剰に添加すると、損傷DNAに対する特異的な結合が競合的に阻害され、その結果試験官内NER反応も阻害された。一方、ヌクレオソーム構造をとった非損傷DNAをcompetitorとして添加した場合には、これらの阻害的影響が抑制された。損傷部位のヌクレオソーム構造はXPC複合体の損傷結合を強く阻害したが、非損傷DNA領域のヌクレオソーム構造はXPC複合体の非特異的DNA結合を抑制することにより損傷認識特異性を上げることが示唆された。一方、UV-DDB場合は、XPC複合体よりも効率的にヌクレオソーム構造をとった紫外線損傷DNAに特異的に結合した。以上の結果から、ヌクレオソーム構造をとった損傷の認識には、UV-DDBが重要な役割を果たすことが示唆された。UV-DDBはヒストンアセチル化酵素であるp300やCBPとの相互作用が報告されていることから、UV-DDBが損傷部位にこれらのヒストンアセチル化酵素をリクルートし、ピストンのアセチル化を誘導することが示唆される。そこで、この可能性を試験官内で解析するために、p300とCBPのタンパク質を精製した。
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Research Products
(1 results)