2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境低負荷型オフィスビルのヒートアイランド緩和と省エネルギー効果の評価
Project/Area Number |
02J20174
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
平野 勇二郎 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 省エネルギー / 都市ヒートアイランド / 気象モデル / オフィスビル / 空調負荷 / 屋上緑化 / 高アルベド塗料 / 東京都心部 |
Research Abstract |
東京都心部を対象とし,都市キャノピー・ビルエネルギー連成モデルを用いて各種ヒートアイランド緩和・省エネルギー方策の効果を評価した。都市キャノピー・ビルエネルギー連成モデルとは,鉛直1次元の局地気象モデルに空調負荷計算モデルを組み込み,街区内の建物の熱負荷や空調によるエネルギー消費量,気温変動を計算するモデルである。対象地域として東京都心部を中心とした約20km×20kmの範囲を選択し,この範囲を600mグリッドに分割した。この各600mグリッドについて,地理情報システムの建物ポリゴンデータからモデルに入力する各街区パラメータを作成し,このグリッド単位でシミュレーションを行った。対象としたヒートアイランド対策・省エネルギー施策は,緑化,高アルベド化,内部発熱削減,PVパネル導入,高断熱化である。計算期間は対象地域において晴天日が連続した2002年8月8〜10日を選択した。まず事務所街区,耐火造住宅街区,木造住宅街区の3タイプの典型街区において各対策の評価を行なった。この結果,緑化と高アルベド化のヒートアイランド緩和効果はそれぞれ0.4〜0.6℃および0.3℃,省エネルギー効果は住宅地の場合それぞれ300kJ/m^2/日および,150kJ/m^2/日(床面積あたり)が得られることが示された。次に東京都心部を中心とした約20km×20kmの範囲での広域評価を行い,各対策の効果を定量化した。この結果,今回の計算条件では緑化と高断熱化の省エネルギー効果が大きく,対象エリア全体で約40TJ/日に及ぶという結果となった。また,高アルベド化でも約30TJ/日の比較的大きな省エネルギー効果が得られるという結果を得た。
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Research Products
(6 results)