2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネの花粉形成初期の低温耐性に関与する遺伝子の単離及び機能解析
Project/Area Number |
02J20199
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Research Institution | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
Principal Investigator |
石崎 琢磨 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 北海道農業研究センター・地域基盤研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネ / 耐冷性 / 北海PL5 / Recetor like protein kinase |
Research Abstract |
水稲育種母本北海PL5は北海244号にペルーの高度耐冷性系統ランベークの遺伝子を導入した耐冷性育種母本である。これまでに、北海PL5の第11番染色体には大きな耐冷性効果を持つ遺伝子座が含まれることが知られている。この研究の目的は、北海PL5を材料として、イネの農業形質として重要な耐冷性遺伝子をポジショナルクローニングし、その機能を解明することである。 耐冷性候補領域にはreceptor like protein kinase遺伝子のクラスターが含まれることが分かっている。北海PL5における該当領域の塩基配列を決定した結果、既知の塩基配列とは大きく異なっている領域が存在することが分かった。北海PL5およびきらら397を材料として、一連のreceptor like protein kinase遺伝子に関してRTPCRによる発現解析を行ったところ、北海PL5においてのみ転写が認められたものがあった。また、同領域についてのきらら397の準同質遺伝子系統の耐冷性検定の結果、耐冷性効果を持つことが確認された。 北海PL5の第11番染色体の耐冷性効果を持つ遺伝子座について、塩基配列および発現様式を明らかにしたことにより、一連のprotein kinase遺伝子が耐冷性に関与することが強く示唆された。また、該当領域はきらら397に対しても耐冷性効果を持つことは、育種上の有用性を示すものである。
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Research Products
(1 results)