2003 Fiscal Year Annual Research Report
Armadilloと直接相互作用する新規癌抑制遺伝子産物D6の解析
Project/Area Number |
02J61415
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西田 歩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ショウジョウバエ / Winglessシグナル伝達経路 / Armadillo / E2F-1 / PCNA |
Research Abstract |
ショウジョウバエのセグメントポラリティ遺伝子armadillo(arm)の遺伝子産物は、細胞接着因子E-カドヘリンの裏打ち蛋白質、Wingless(Wg)シグナルの伝達、Wgシグナル伝達経路の下流での転写の制御などの多くの機能を有している。Armの様々な機能は、この蛋白質と結合する因子の多様性に起因すると考えられる。本研究では、Yeast two-hybrid法によって新たなArm結合蛋白質を検索し、新規遺伝子sunspot(旧名d6)を見出して機能を解析し、以下の事実を明らかにした。 1)Sunspot蛋白質は368アミノ酸をコードし、C末端側235-307アミノ酸の領域でArmと結合する。また、N末端側にはBED fingerモチーフが存在しDNAと結合すると考えられる。2)Sunspotの生体内での機能を明らかにするためにsunspot遺伝子の変異体を作成したところ、sunspot変異体は幼虫から蛹に変態できないことが明らかとなった。さらにsunspot変異体の成虫原基を組織学的に観察すると、正常アリルの成虫原基と比較して著しく小型であることが判明した。3)そこで、Sunspot蛋白質が細胞周期制御に重要な役割を果たしている可能性があると考え、細胞周期制御因子の発現への影響を解析し、SunspotはE2F-1及びPCNAの転写を正に制御することを明らかにした。 これらの結果より、sunspotはショウジョウバエの発生過程において成虫原基などの細胞に細胞周期制御遺伝子の転写を誘導する活性をもつ細胞の増殖に必須な遺伝子であることが明らかになった。
|
Research Products
(1 results)