2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J61416
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
南谷 泰仁 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC-2)
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Keywords | CpG island / methylation / myelodysplastic syndrome / epigenetics |
Research Abstract |
公表されたヒトゲノム塩基配列データベースから、7q上メチル化の標的となりうるCpGアイランドを抽出し、各CpGアイランドについて300bp内外の塩基配列を増幅するPCRプライマーを用いて、bisulfaite処理を施した正常組織および腫瘍検体のゲノムDNAから各CpGアイランドをPCR増幅したのち、直接塩基配列決定法により増幅したPCR断片の塩基配列を決定した。決定した個々の塩基配列についてC→T塩基置換をカウントして各CpGアイランドのメチル化の程度を数値化することにより、7q全長にわたるCpGアイランドのメチル化マップを作成した。7qの塩基配列データベース検索から抽出されたCpGアイランドの定義を満たす290個の塩基配列のうち、Alu配列その他の繰り返し配列を除く配列でPCR増幅可能な130個の塩基配列(CpGアイランド)について、メチル化の定量的検討を行った。これは7qの全CpGアイランドの約60%に相当すると考えられる。ヒト胎盤(HP)1、末梢血単核球(PB)4、骨髄単核球(BM)2、AML患者検体(AML)4、MDS由来細胞株(MDS/CL)5、AML由来細胞株(AML/CL)15、およびALL由来細胞株(ALL/CL)15、の計41種類の検体を用いたメチル化解析の結果、(1)MDS由来細胞株を含む造血器腫瘍細胞株において、7qのCpGアイランドのメチル化は腫瘍特異的、かつ高頻度に観察されること、(2)メチル化を受ける領域は腫瘍細胞ごとに異なるのではなく、特定の染色体領域(7cen〜7q11,7q22、7q32〜33、7q35〜36)にクラスターを形成して存在すること、(3)これらのメチル化領域は従来の欠失解析によって同定されている欠失の集積領域とオーバーラップする傾向が認められること、および(4)患者腫瘍検体におけるメチル化は、正常組織と培養腫瘍細胞株の中間の分布と程度を示すこと、が明らかとなった。
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