2002 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的ゲノム多様性解析を基盤とした循環器疾患の予後評価に関する研究
Project/Area Number |
02J61421
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
柴田 健雄 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 急性心筋梗塞 / マイクロサテライト / 多型 / Fisher's Exact検定 / SQL / QOL |
Research Abstract |
急性心筋梗塞患者群および健常者群のマイクロサテライト多型データの比較解析を行った。 比較解析においては、患者群と健常者群でピークの個数が一致したマーカーに注目し、ピークの合計に対する各ピークの割合を算出し、各マーカーごとに比率の差の検定を行った。計算はSPSSにてFisher's Exact検定を行い、準自動化するためのスクリプトプログラムを作成した。 一方で、Linuxサーバを構築し、心筋梗塞患者群の臨床データの蓄積を目的とするSQLデータベースサーバを稼動させた。データベースにおいては、患者基礎属性、症状、診断、治療およびその他の疾病依存の項目を列挙し、本研究で必要とされる項目の絞込み作業を行っている。 QOL測定法の一つとして、階層分析法(Analytic Hierarchy Process)の医学分野への応用(患者の満足度の測定とその科学的評価)に関する研究に取り組んだ。この階層分析法では心理構造モデルを構築し、その各因子の心理的重要度を個人ごとに数量化できるモデルで、時間得失法だけでは不可能なQOLに関連する心理因子の評価を、心理因子の重要度重み付け係数を説明変数として重回帰分析を行うことによって実現できる可能性がある。また、個人差重み付け多次元尺度法を応用することによって、個人間の趣向の差を評価することも可能となる。 本研究では急性心筋梗塞における遺伝的危険因子を評価するとともに、QOLの低下に関する関連因子を評価することを目的としているが、その基礎となるゲノムデータ解析、臨床データベースおよびQOL測定とその科学的評価(数量化)のすべてにおいて基盤ができつつある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 柴田健雄, 田中 博: "医療における満足度評価のための数理統計学的手法の応用"医療とコンピュータ. 13(4). 59-64 (2002)
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[Publications] 柴田健雄, 田中 博: "診療支援システムの評価のための数理統計学モデルの応用に関する研究"医療情報学. 22(1). 147-153 (2002)