2004 Fiscal Year Annual Research Report
フグ目魚類を材料とした比較ゲノムによる種多様性についての研究
Project/Area Number |
02J61425
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 欽也 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | フグ / ゲノム / 種分化 |
Research Abstract |
日本産フグ目魚類の採取、捕獲を行い、合計6種フグ目魚類のゲノムDNAを採取、保存した。さらに、既知のDNA配列を用いた解析も行い、ヒト、マウス、ラット、ホヤ、トラフグそしてミドリフグの間においてゲノム配列を比較し、本研究に適した遺伝子領域の探索を試みた。現在までに報告のある遺伝子のうち、Hox遺伝子は形態形成に関わり、クラスターをなすことが知られている。脊椎動物進化の過程でこのクラスターが重複したと考えられ、遺伝子重複と種分化を論ずる上での好材料と考えられている。よって、Hox遺伝子の進化および遺伝子重複と種の分化という点について研究を行うため、英国Oxford大学のピーター・ホランド教授に協力を要請し、脊椎動物進化研究の際に重要と考えられるヌタウナギ類について研究を行った。まず、クロメクラウナギ(Eptatretus atami)を用いcDNAライブラリーおよびファージのゲノムライブラリーを作成した。つぎに、ホメオボックス関連遺伝子、MHC関連遺伝子についてPCR法を用いライブラリースクリーニング用のプローブとなるDNA断片の増幅を試みた。この結果、合計14のDNA断片を増幅することに成功した。これらのDNA断片をプローブとしcDNAおよびゲノムライブラリーからスクリーニングを行ったところ、Ror遺伝子を有するゲノム断片とBat1遺伝子のほぼ全長を有するcDNA配列を得ることができた。Bat1遺伝子について詳細な配列解析を行ったところ、この遺伝子は真核生物の間で非常によく保存されていることがわかった。
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