2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J61427
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三浦 史仁 金沢大学, がん研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 一般化アダプター付加競合PCR / 絶対定量 / トランスクリプトーム / ポリソーム / RPL25 |
Research Abstract |
1、翻訳状態のモニタリング 昨年度、蛋白質-RNA間相互作用の代表例として、リボソームとmRNA間の相互作用に注目し、Inada T等(2002)のRp125pのC末端にFlagタグを付加したポリソームのアフィニティ精製法を改良した。本年度は、この系を利用し、精製ポリソームと並行して精製されたトータルRNAをそれぞれGATC-PCR用鋳型に変換し比較定量を行った。得られたcDNA量は双方のサンプルでほぼ同量であったが、これらを競合増幅してみるとそのシグナル強度は1対1ではなく、遺伝子毎にさまざまなバリエーションが確認された。全RNAに対するポリソームRNAのシグナル強度比は、各遺伝子の翻訳の状態の強度を示していると考えられ、この値が低い遺伝子は、転写されていながら翻訳が行われていない遺伝子を示唆していると考えられる。現在、これらの結果について検討中である。 2、転写開始点の決定 GATC-PCR法の開発過程で非常に特異的なPCRプライマーを設計する技術を開発しており、この技術を応用するとRACE法をゲノムワイドに展開することが可能になる。そこで、この技術と転写開始点を捉えることのできるRACE用鋳型作成法であるCapSelect法と組み合わせ、出芽酵母の各遺伝子の転写開始点を系統的に決定する作業を開始した。従来、出芽酵母の転写開始点は、30塩基程度といわれてきたが、既に300から400塩基の長い5'-UTRを有する遺伝子がいくつか見出されている。こういった長い5'-UTR配列は、RNAが特殊構造を形成し翻訳を制御する上で重要な働きをすることが知られており、また、RNA-タンパク質問相互作用の格好の場であると考えられる。今後は対象遺伝子を拡大し、データベースの構築を進め、翻訳状態のデータと合わせて検討を進める予定である。
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Research Products
(1 results)