2002 Fiscal Year Annual Research Report
カルパイン10遺伝子異常による2型糖尿病の発症機構の解明
Project/Area Number |
02J61431
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
兪 力 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カルパイン10 / 2型糖尿病 / トランスジェニックマウス / マイクロアレイ / 関連解析 |
Research Abstract |
日本人の2型糖尿病はインスリン分泌不全を一義的な成因とするので、本研究では膵β細胞におけるカルパイン10の機能に焦点を当て、カルパイン10異常がインスリン分泌不全を惹起する機構の解明を目指しているカルパイン10は多くの組織で発現するプロセシング蛋白であることより、標的基質や周辺因子が共役グループとして発症に働くと考えられる。そこでカルパイン10を過剰発現させ、独自の膵島特異的cDNAマイクロアレイを用いて、mRNA発現が変化する関連遺伝子群を網羅すべく現在検索を進めており、再現性のある幾つかの発現の変化する遺伝子を同定している。そして包括的に網羅された膵β細胞のカルパイン10関連分子を選別後、症例-対照関連解析に供する。既に分担者は日本人の症例-対照関連解析で、このカルパイン10がインスリン作用に影響を与えていることを明らかにして論文に発表している。個体レベルの実験では先ずアデノウィルス発現系で膵β細胞と骨格筋に特異発現を確認できた2種類のトランスジーンを獲得後、過剰発現マウスを作成した。現在膵β細胞、骨格筋特異的にカルパイン10を過剰発現させたマウスは、F2を獲得している。現在膵β細胞特異的にカルパイン10を過剰発現させたマウスに関して生理学的実験を進めているが、糖負荷検査時の初期インスリン分泌低下によると思われる血糖上昇が認められており、現在詳細に検討を加えている。今後両系統のマウスの交配含め実験を進めていく。またカルパイン10ノックアウトマウスに関してはシカゴ大学と共同で進めているが、既にヘテロノックアウトマウスを獲得しており、現在ホモノックアウトを作成中である。
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Research Products
(1 results)