2003 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエlola遺伝子の構造的・機能的多様性
Project/Area Number |
02J61457
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
堀内 貴之 東京都立大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | ショウジョウバエ / 軸索ガイダンス / 選択的スプライシング / トランス・スプライシング / BTB / PO2ドメイン / Znフィンガー |
Research Abstract |
ショウジョウバエlola遺伝子は、神経軸索の誘導・維持に関わる遺伝子であります。構造解析の結果、lola遺伝子は定常エキソンおよび転写開始点を含む4個の可変エキソン、3'端の20個の可変エキソンユニットから構成され、選択的スプライシングによって80種以上のスプライシング・アイソフォーム、20種以上のタンパク・アイソフォームを生ずることが明らかされています(Ohsako et al.,2003 Gene 311:59)。最近米国の研究室によって、lolaの各アイソフォームが組織特異的に複雑な発現パターンを示すことが報告されました。そこで私は、lolaにおける選択的スプライシング機構の解明に焦点をおいて研究を進め、結果としてlolaアイソフォームの発現が選択的トランス・スプライシングによって制御されているということを見出しました(Horiuchi et al.,2003 Genes & Dev.17:2496)。この発見は、同方向にエキソンが配向する遺伝子座においては初めてのこととなります。具体的には、系統間-塩基多型を利用した定量的な解析によって相同染色体間トランス・スプライシングが非常に高頻度に起きていること、エキソン特異的変異体間での相補テストによってトランス・スプライシングが機能的に意義をもつことを示しました。さらに定常エキソン領域と一部の可変エキソン領域が独立の転写ユニットであることを示唆する結果を得たことから、lolaアイソフォームの発現は転写とスプライシングの二段階で厳密かつ簡便に制御されているというモデルを提唱しました。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Takayuki Horiuchi: "Alternative trans-splicing of constant and variable exons of a Drosophila axon guidance gene, lola"Grenes and Development. 17. 2496-2501 (2003)
-
[Publications] Takashi Ohsako: "Drosophila lola encodes a family of BTB-transcription regulaters with highly variable C-terminal domains containing 2inc finger motif"Gene. 311. 59-69 (2003)