2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J61458
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
加藤 雅樹 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | タンパク質 / 分子認識 / ドメイン運動 / ドメイン / リガンド / ヘテロダイマー / データベース |
Research Abstract |
蛋白質の立体構造と機能の相関を解明することは構造ゲノム科学の最重要課題の一つであるが、そのためには分子認識機構の解明が不可欠である。古典的な考え方として"鍵と鍵穴モデル"が一般的であるが、現実の蛋白質は柔らかく、外部からの刺激に応じて構造変化を引き起こすことの重要性も指摘されてきた。つまり、分子認識を理解するためには分子認識に伴う蛋白質のダイナミクスを考えることが必要となる。 我々は、この問題を解くために、PDBデータベースを利用し、二次的データベースを作成することで解決しようと試みた。はじめに、X線結晶解析により立体構造が解かれているすべての蛋白質の中からその配列の相同性をFASTAをもちい調べから蛋白質単体、リガンド分子または他の蛋白質との複合体がともに解かれているものをPDBのエントリーを収集してデータベースを作成し、単体と複合体の構造の違いを比較することで、この問題にアプローチした。はじめに、Hinge motionやShear motionなどによるドメイン運動による分子認識、次の階層がLoop motionなどの主鎖による認識、その下の階層が側鎖による分子認識、最後の階層が鍵と鍵穴モデルまたは結合相手の変形とした。これらの分類は主鎖または側鎖のrmsd(root means square displacement)によって分類した。上部の2つの階層は大きな動きをして、下部の階層は極小的な動きによって分子認識をしていることを示している。その結果、大きな動きをしているものは、リガンド認識では全体の2割に対し、ヘテロダイマーは全体の6割を占めている。このことから、リガンド認識は極小的な動きの認識が大半であり、ヘテロダイマーの認識はタンパク質自身大きな運動によって認識するということ多いということがわかった。 また、構造変化を考えるときにドメイン単位で動いているケースが多いことから、Delaunay四面体を用いた動的ドメイン決定法を開発した。この方法は他のグループによるドメイン同定法よりも感度がいいことがしめされた。
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Research Products
(1 results)