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2002 Fiscal Year Annual Research Report

脳の認知情報処理過程における動機づけの効果

Research Project

Project/Area Number 02J61462
Research InstitutionTamagawa University

Principal Investigator

小林 俊輔  玉川大学, 工学部, 特別研究員(PD)

Keywords前頭前野 / 作業記憶 / 報酬
Research Abstract

本年度は4月より実験装置の購入、設置を行った。続いて動物の行動課題制御プログラム、生理学的データの記録プログラムを作製した。5月より一頭のニホンザルの行動学習訓練を開始、約半年間で終了した。11月にはフロリダ州オークランドで開催された米国神経科学大会に出席し、研究成果の発表と欧米諸国の研究者との意見交換を行った。11月より神経活動記録を開始している。
本研究は報酬、罰が認知機能に及ぼす影響を生理学的に調べることを目的として行われている。そのためにニホンザルに記憶誘導性眼球運動課題を3つの条件で行うことを訓練した。
1つの条件では課題成功後にjuiceの報酬が与えられる(appetitive condition)。1つの条件では課題を失敗するとair-puffによる罰が与えられる(aversive condition)。1つの条件では課題を成功しても失敗しても報酬も罰もない(neutral condition)。この3つの条件間で比較すると、neutral conditionと比較して、appetitive condition、aversive conditionで成績が良い。このことは、報酬および罰の期待が作業記憶過程を強化することを示唆する。外側前頭前野の単一神経細胞記録(n=176)の結果、外側前頭前野にはneutral conditionと比較してappetitive conditionで活動が上昇する神経細胞が約25%みられたが、neutral conditionと比較してaversive conditionで活動が上昇する神経細胞は約5%しか見られなかった。したがってこれまで得られた実験データに基づくと、外側前頭前野は、報酬期待による作業記憶の向上を媒介している可能性が高いが、罰回避のための作業記憶の向上は外側前頭前野以外の脳部位で媒介されている可能性が高い。この結果は今年度2頭目の動物で再現性の確認をする予定である。
また今後は、および罰回避に関係する脳部位を同定するために前頭前野眼窩面、線条体の神経活動記録を予定している。

URL: 

Published: 2004-03-26   Modified: 2016-04-21  

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