2003 Fiscal Year Annual Research Report
赤外自由電子レーザー施設の加速器及び実験設備の自動制御システムの開発
Project/Area Number |
02J72402
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
門脇 徹人 東京理科大学, 総合研究所・赤外自由電子レーザー研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 自由電子レーザー / FEL / 遠隔操作 |
Research Abstract |
東京理科大学赤外自由電子レーザー研究センターでは、中赤外自由電子レーザー(MIR-FEL)が平成13年から稼動しており、同位体分離や質量分析等、MIR-FEL光を用いた様々な光利用実験が展開されている。これらの実験の過程で光利用実験の高度化のために必要な事項が浮かび上がってきており、それに伴うFEL性能高度化の研究を行った。 FELの特徴の1つとしてレーザーが波長可変であることが上げられるが、この波長変更操作は、光共振器の1部であるアンジュレーター(周期磁場発生用永久磁石)のギャップを変更する事によって可能となる。今回、今までマニュアル操作であった波長変更操作を、各実験ステーションに設置したノートPCにより遠隔操作するためのシステムを構築した。このシステムにより、FEL,ユーザーがアンジュレーターギャップを遠隔操作し、現在のFEL発振波長を常にモニターする事ができるようになった。この遠隔操作はインターネットを通じて行うため、それら全ての機器には常にコンピューターウイルスやクラッカーに侵入される危険性がある。このような外部からの不正アクセスを防ぐためにファイヤーウォールを導入し、セキュリティを向上させた。 また、FEL光の波長データをアンジュレーターギャップ値にフィードバックさせる事により、波長の安定性を保つためのシステムを構築した。FEL波長の中心値を常にモニターし、ユーザーが必要とする波長からずれた場合にそれを修正する方向へアンジュレーターギャップを動かし、安定した波長を実現する。このシステムにより、波長の不安定性を約1%内に抑える事ができることを確認した。まだこのシステムは試験段階であるが、来年度以降の本稼動を目指し最終的な調整を行っている。
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