2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J72802
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 正人 京都大学, 化学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ラマン / 超臨界水 / 超臨界メタノール / 水素結合 / 密度依存性 / 局所密度 / NMR / 無触媒分解 |
Research Abstract |
水などの水素結合の状態を測定するにあたり、振動分光はNMR等と比較して、その平均値だけでなく分布に関する情報も提供する点において有益な測定法である。従って、今まで進めてきたNMRによる超臨界水および水溶液のNMRによる解析を補完する目的で、当研究室とJEOLと共同により、特殊薄型ダイヤモンド窓を使用した高温高圧流体の高感度ラマン測定装置を開発した。それによって今まで測定が不可能であった低密度の超臨界水の測定が可能になり、NMRの実験と平行してラマンよる超臨界水の構造を調べた。特に水素結合状態の密度依存性に着目し、3×10^<-4>g/cm^3以下まで至る孤立分子模様の超低密度から広範囲に渡って測定した。また、超臨界水との比較のため、同じく水素結合性流体である超臨界メタノールの実験も同様に行った。メタノールの臨界温度は水よりも低く、臨界温度から更に温度を上げていったときの変化をより容易に観察できる。NMRや計算機シミュレーションの結果との比較から、超臨界水における水素結合の密度依存性は局所密度一元論では説明できないことを示した。これらの結果について学会発表を行い、特に今まで報告されていなかった超低密度における超臨界水のラマン測定を可能にした点において反響を得た。今までの結果については論文として執筆し、現在議論を深めるために軽水・重水混合溶液を使った更に詳細な実験を行っている。 NMR測定については、ビスフェノールAとその関連物質の超臨界および亜臨界水中における無触媒分解反応の解析が既に当研究室で行われていたが、それを更に発展させ、その密度と分解速度、および分解過程の関連について更に詳細な測定が続行中である。今までの結果について論文としてまとめ、最新の測定結果を含めて近々投稿することが可能な状態である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Kubo, R.M.Levy, P.J.Rossky, N.Matubayashi, M.Nakahara: "Chloride Ion Hydration in Supercritical Water Using the Fluctuating Charge Water Model"J.Phys.Chem.B. 106・15. 3979-3986 (2002)