2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J83705
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 能也 京都大学, 化学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 遷移金属酸化物 / 薄膜成長 / 誘電体層 |
Research Abstract |
本研究は主にAl_2O_3を誘電層とする電界効果トランジスタ構造によるドーピング(FED)の実現を目指すものである。そのためにまず必要である平坦かつ級密なAl_2O_3膜の製膜方法を確立し、次いでFED素子を作成した上でFEDの可否・正当性を明らかにすることを目的としている。まず、SrTiO_3・LaAlO_3などの酸化物単結晶を研磨したものを購入し基板とした。さらに薄膜の原料となる酸化物・炭酸化物などの薬品・製膜時の雰囲気ガス(酸素・アルゴン・窒素およびそれらの混合ガス)を購入した。スパッタリング・レーザーアブレーション・電子線蒸着・真空蒸着など製膜装置の変更に伴い製膜条件を最適化する必要があるが、製膜装置にかかわらず作成した薄膜試料の平坦性並びに諸物性を調べ、製膜条件へフィードバックする必要がある。すでに研究室が所持する磁気特性評価装置・電気抵抗測定装置に加え、Al_2O_3をはじめとする絶縁層薄膜の誘電体としての評価を行う必要がある。このため本年度は薄膜試料作成技術の確立を計画し、Sawyer-Tower法による分極電場特性測定装置の構築を行った。装置は関数発生器(BIOMATION社2416A)・電源(KEPCO社BOP1000M)・オシロスコープ(Tektronix社TDS2024)からなり、それらはGPIBを用いてコンピュータ制御されている。最高印加電圧1000V・最高周波数1.8kHz(波形は正弦波および三角波)の性能を実現した。試料として室温で強誘電性を示す焼結体のBaTiO_3を用いて測定したところ、すでに知られている特性を再現することができた。これにより分極特性測定装置は完成し、作成した誘電体薄膜の分極特性を知ることができるようになった。
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