2002 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ制御したダイヤモンド表面の生体分子吸着によるFET型バイオセンサーの開発
Project/Area Number |
02J84202
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
梅澤 仁 早稲田大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ダイヤモンド / 表面化学修飾 / アミノ終端 / DNA / 電位・電化検出型バイオセンサー / 生体適合性 / ポテンシャルウィンドウ / フッ素終端 |
Research Abstract |
ダイヤモンドは、化学的安定性や広いポテンシャルウィンドウで未来の生体適合型バイオセンサー材料として期待されている。近年、溶液中で動作するダイヤモンド電解質ゲートFETが開発され、pH感応性等が調査されている。ダイヤモンドでは表面の終端元素の差によって官能イオン種が変化するため、化学的修飾方法を開発しその特性を調査することはバイオセンサー開発に重要である。そこで代表者は、ダイヤモンドへの化学修飾を目的としていくつかの手法を開発した。 まず、プラズマを用いて水素終端ダイヤモンド表面をアミノ化、フッ素化した。アミノ化は水素/窒素混合ガスプラズマを用いて行った。表面結合状態はXPSで測定を行い評価した。プラズマ処理を行ったダイヤモンド基板はClsに窒素吸着によるピークシフトが見られ、表面の親水化による水分吸着でOlsのピークが見られた。また、C_3F_8プラズマ中に基板をさらすことによりフッ素終端ダイヤモンドが得られ、疎水性(超撥水性)表面が得られた。XPS測定では、Flsの大きなピークが見られた。超撥水性により、表面吸着による酸素ピークは見られなかった。 また、フッ素終端表面中にパターニングしたアミノ基修飾表面を形成し、Cy5標識試薬を用いて表面チャージを確認したところ、アミノ基による修飾表面が正に帯電していることがわかった。これは、アミノ基が溶液中でプロトン化し、大きな表面電荷をもっていることが要因である。さらに、アミノ化表面に一本鎖DNAを修飾し、さらにこれと相補的な蛍光標識修飾DNAをハイブリダイズさせ、蛍光顕微鏡観察した。DNAを修飾したアミノ化表面と、フッ素化表面では蛍光差が得られ、ダイヤモンドの表面化学修飾が確認された。
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Research Products
(1 results)