1992 Fiscal Year Annual Research Report
水産物の有効利用に関する日本・韓国の比較研究-21世紀に向けて-
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03045020
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
平野 敏行 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60017043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 珠煕 釜山水産大学校, 漁業学科, 副教授
張 栄振 釜山水産大学校, 生物資源学科, 教授
金 鎮乾 釜山水産大学校, 漁業学科, 教授
李 応昊 釜山水産大学校, 食品栄養学科, 教授
劉 忠烈 釜山水産大学校, 貿易学科, 教授
稲田 博史 東京水産大学, 水産学部, 助手 (90176397)
濱田 英嗣 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (80172972)
小野 征一郎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (40017075)
隆島 史夫 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60041703)
竹内 正一 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00017047)
平山 信夫 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00017039)
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Keywords | まき網漁業 / 東海・黄海漁場 / 多投資・労働集約型経営 / 加工用原魚 / 船団のスリム化 / 協業化 / 資源保護 / 省人化 |
Research Abstract |
共同研究の2年目である本年は、日韓両国の共通の漁場である東シナ海・黄海のまき網漁業を中心テーマとし、あわせて東日本のまき網加工基地である銚子周辺の実態調査と海産魚の種苗生産に関する研究交流を行った。西日本のまき網漁業および加工基地である長崎県生月町・唐津市・福岡市ならびに韓国の釜山を両国の研究チームが相互に訪れ、また忠武において養殖施設を見学した。 初めての試みとして釜山において、大型まき網水産業協同組合の主催により日本側メンバーが講演会を行ったが、多数の漁業者が参会し盛況であった。その概要と当日配布した資料を別に添えるが、テーマは以下の通りである。 平山信夫:日本のまき網漁業の漁獲量変動について/小野征一郎:まき網漁業考/稲田博史:まき網漁業における生産技術の動向/濱田英嗣:水産物の流通形態の変化とまき網漁業/平野敏行:多獲性赤身魚の高度利用と健康性機能について 日韓のまき網漁業はともに、量産型漁業種類として重装備・多人数操業を行っており、網船・灯船・運搬船をあわせると1船団4〜6隻、乗組員は50〜70人に及ぶ。東海・黄海漁場には日韓両国のほか中国・台湾・北朝鮮も出漁し、総漁獲量は500万トンに達すると推定される。資源的にも限界であり、多投資・労働集約型経営の転換が迫られている。漁獲物は加工用原魚に向けられ、高コストに見合うだけの価格を実現していない。船内凍結による漁獲物の鮮度保持が追求されているが、なお多くの困難がある。 船団のスリム化-その極点としての単船経営-、減船による協業化、資源保護のための休漁システムの導入、省人化および軽労働化が提起されているが、日韓両国ともに過当競争下にあり、いっそうの相互理解が必要であろう。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.HIRANO,C.H.Zhanh,A.MORISHITA,T.SUZUKI,T.SHIRAI: "Identification of volatile compounds in ayu fish and its feeds" 日本水産学会誌. 58. 547-557 (1992)
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[Publications] 章超樺,平野敏行,鈴木健,白井隆明,森下昭寿: "キュウリウオのにおい成分とその生成について" 日本水産学会誌. 58. 773-779 (1992)
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[Publications] 章超樺,白井隆明,鈴木健,平野敏行: "天然および養殖アユのリポキシゲナーゼ様酵素と香気成分の生成について" 日本水産学会誌. 58. 959-964 (1992)
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[Publications] 小野 征一郎: "水産物需要" 日本漁業の統済分析(小野征一郎・堀口健治編著). 12-26 (1992)
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[Publications] 川辺勝俊,隆島史夫: "シマアジ卵の最適ふ化塩分および水温" 水産増殖. 40. 261-268 (1992)
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[Publications] 村井衛,隆島史夫: "人工採苗シマアジ仔稚魚の相対成長" 水産増殖. 40. 253-259 (1992)
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[Publications] 小野 征一郎(分担): "これからの公海漁業について" 東京水産振興会, 205 (1992)