1991 Fiscal Year Annual Research Report
波長可変真空紫外レ-ザ-による半導体光励起プロセスの基礎反応過程の研究
Project/Area Number |
03239101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土屋 莊次 東京大学, 教養学部, 教授 (40012322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗像 利明 理化学研究所, 研究員 (20150873)
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Keywords | VUVレ-ザ- / 真空紫外光 / 光電子分光 / 顯微光電子分光法 / シラン |
Research Abstract |
レ-ザ-光の混合によって発生させた真空紫外レ-ザ-を利用して、半導体光プロセスに関係する光反応の分子機構を探ぐること、および、半導体表面の電子構造の解明のために顯微光電子分光法を開発し、表面反応機構の実体を明らかにする。 1.真空紫外レ-ザ-光で、光解離した水素原子を検出するために121nm附近のレ-ザ-光の発生を試み、成功した。NH_3の光解離で生成したH原子のスペクトルをとり、そのドップラ-効果を観測し、その運動エネルギ-を決定することができた。 2.シランの水銀光増感反応によるアモルファスS:生成の分子機構を探ぐるために、水銀シランのvan der Waals錯体の光化学反応の分光測定を行った。Hg原子の励起状態の電子配置は、6S6pであるが、6p電子のπ軌道とシラン分子の方向がδ型の配置をとる場合とπ型の配置の二つがあり得るが、π型配置のみが反応へ導くことが示された。反応生成物のうち、シリレンラジカルおよびHgHは検出されなかった。シリルを経由する機構を示唆している。 3.YAGレ-ザ-の9倍波を固体表面に集光し、発生する光電子のエネルギ-分析を飛行時間分析器で行う装置を試作し、ほゞ完成した。真空紫外光は、10.48eVで、その固体表面上のスポットサイズは、3.5μmφである。固体表面を走査し、光電子の画像表示が可能となっている。この装置によって、銅111面の光電子スペクトルと非結晶面のスペクトルの比較を行い、フェルミ準位に近い所に非結晶バンドを見いだし、これを指標として銅表面のミクロ結晶像の分布を観測することに成功した。今後は、吸着分子の集合状態の観測に応用する予定である。
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Research Products
(1 results)