1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03301093
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
桜井 倬治 京都府立大学, 農学部, 教授 (40074025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 猛 京都府立大学, 農学部, 助教授 (50115945)
嘉田 良平 京都大学, 農学部, 助教授 (90111947)
津田 盛也 京都大学, 農学部, 助教授 (10026578)
國松 孝男 滋賀県立短期大学, 農業部, 教授 (10074064)
米林 甲陽 京都府立大学, 農学部, 教授 (00046492)
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Keywords | 環境保全型農業 / 自然生態 / 農業経済 / 水・食品の安全性 / 農地保全 / 農村活性化 / 農法改革 / 硝酸態窒素 |
Research Abstract |
環境保全型農業を広義に把えた場合、信然生態、農業経済、社会の3つの視点がある。これらの視点は相互にジレンマをもち、それを解決するための課題をもっている。 自然生態と農業経済の視点間のジレンマは、水・食品の安全性問題であり、その課題は農薬・肥料を削減する農法改革である。わが国でも上水源の地下水における硝酸態窒素濃度が高まる傾向にあり、環境庁による水田農薬の審査が強化されることから、また消費者の食品安全性への志向が強まっていることから、農法改革としての環境保全型農業を学際的に究明する意義は大きい。 農業経済と社会の視点間のジレンマは、都市化やリゾ-ト開発による公益機能を有する優良農地の壊廃問題であり、その課題は水田等の遊水機能保全対策(千葉県市川市)、水田保全花園整備事業(埼玉県越谷市)、千枚田景勝保存事業(石川県輪島市)などにみられる農地保全と農地の公益的活用とである。国土に占める農地面積割合の希少なわが国では、この点での環境保全型農業のあり方と政策課題を明らかにすることは重要である。 農村社会と自然生態の視点問のジレンマは、過疎化や過度な農村開発による農村社会の衰退と、それに伴う自然環境の悪化として顕在化している。ここでの課題は、自然と調和した農村開発および農村活性化である。 これら3種類の環境保全型農業に関する研究課題のうち、本年度は農法改革としての環境保全型農業と公益的活用を目的とした農地保全手法とについて、各研究者ごとに事例的研究を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 桜井 倬治: "持続可能な農業の現代的意義と展開条件" 農業経営研究. 30. (1992)
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[Publications] 宮崎 猛: "有機農業と持続可能農業" 農林業問題研究. 27. 28-34 (1991)
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[Publications] 嘉田 良平: "環境保全型農業の意義と可能性" 農業と経済. 57. 6-11 (1991)
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[Publications] 嘉田 良平: "環境保全と持続的農業" 家の光協会, 262 (1990)
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[Publications] 黒柳 俊雄(編著): "農業構造政策" 農林統計協会, 335 (1991)