Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 章三 川崎重工業, 明石技術研究所, 主査
大久保 勝夫 住友化学工業, エンジニアリング研究所, 所長
村上 理一 徳島大学, 工業短期大学部, 教授 (00112235)
福田 収一 東京都立科学技術大学, 工学部, 教授 (90107095)
箕島 弘二 京都大学, 工学部, 助教授 (50174107)
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Research Abstract |
本年度は,昨年度に工人知能用傾語OPS83を用いて開発した。腐食割れ診断用エキスパートシステム(EXENAC)を用いて,ラウンドロビン試験を実施した。対象とした腐食割れは,ステンレス鋼の応力腐食割れ,高費度鋼の水素ぜい化割れ,および炭素鋼,低合金鋼の水素侵害である。本システムは比較的小さな知識ベース(各サブシステムに対して約100ルール)しか有していないが,本システムのように診断対象を限定することにより,実機損傷事例にしても十分に正確な診断が行えること,また,確信度係数を用いることにより,種々の因子が腐食割れに関与する寄与度を簡単に表すことができることを明らかにした。ランドロビン試験により,システムの改良点として,ph条件,加熱・濃縮,鉄イオン,銅イオンなどの酸化性物質効果,溶接,熱処理条件,実使用下における10-40年の長期にわたる使用期間や発生頻度の影響に関する知識を知識ベースに追加する必要性が指摘された。また,実機損傷事例の解析にあたって,設計条件と実際に使用される環境・応力条件の差異に関する問題点が明らかとなった。さらに,ファジィ推論を用いて,破面のマクロ・ミクロ破面様相(フラクトグラフィ)に基づいて,高強度鋼アルミニウム合金,ステンレス鋼の環境破壊(疲労,腐食疲労,応力腐食割れ,繰返し応力腐食割れ,動応力腐食割れ)を診断する環境破壊フラクトグラフィ診断エキスパートシステム,超音波探傷により溶接欠陥を評価する溶接欠陥診断エキスパートシステムを開発するとともに,自然物のフラクタル次元が非整数,人工物のフラクタル次元が整数であることを用いて,割れなどを交率的に抽出可能であることを示した。
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