1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03305012
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
星野 一正 京都女子大学, 宗教文化研究所, 教授 (80111962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 正雄 大正大学, 文学部, 教授 (30054638)
南 裕子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (70094753)
江見 康一 帝京大学, 経済学部, 教授 (30017652)
青木 清 上智大学, 理工学部, 教授 (70101029)
桑木 務 日本大学, 大学院, 講師 (80054899)
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Keywords | バイオエシックス / 患者の意思 / タ-ミナルケア / 臨床看護研究 / 告知 / ビハ-ラ / ホスピス / インフォ-ムドコンセント |
Research Abstract |
「患者中心の医療をめぐる学際的研究」を行っているわが研究班では、法学(刑法・民法)、宗教学、哲学、生命科学、基礎・臨床医学、看護学、医療経済学とバイオエシックスの専門家10名が同一の課題に向かって共同研究を行い、第1年度の研究発表として別紙記載の論文発表の他に、平成4年1月19日に東京四谷の上智大学において公開討論会を開催し、多くの一般参加者を迎えて、熱心な意見の交換が行われ、予想以上の成果を上げることができ、新聞や雑誌などに成果が報道された。今回の第1回公開討論会では、研究班員の半数が講演をし残りの半数が司会に当たると共に、パネルディスカッションでは全員がパネリストとして討論に参加し、一般参加者との間で熱心な意見の交換が行われた。代表研究者の星野が、医学・医療・バイオエシックスの見地から「患者中心の医療とは何か」についての講演で公開討論会への導入を行った。初めに「臨床看護研究にからむ生命倫理的問題」と題して看護学の南教授が講演をし、次いで「患者中心の医療を考えるー脳神経外科臨床の現場より」と題して専門家の福間医師が具体例を挙げて臨床上の問題点について講演をした。次に、死をめぐる生命倫理学的検討に移り、生命科学担当の青木教授が「脳死は人の死か」について医学的、社会的、生命科学的見地から意見を述べた。最後に、宗教学の立場から、藤井教授が「ビハ-ラと仏教の生死観」について講演をし、末期患者ならびに臨死患者をめぐる患者中心の医療と家族への配慮について論じた。これらの講演の後に、バイオエシックスの専門家である木村教授がコ-ディネ-タ-となってパネル・ディスカッションを行ったが、80分では時間が足りないほどの活発な意見の交換があり、大変に有意義な公開討論会となった。最後に、大阪大学の武田裕助教授が「まとめ」として10分間講演をして締めくくった。以上が、わが研究班第1年度の報告である。
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Research Products
(34 results)
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[Publications] 星野 一正: "脳神経疾患治療のバイオエシックス" ブレインナ-シング. 7. 9-13 (1991)
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[Publications] 星野 一正: "出生に関する人為的関与の生命倫理学的考察" 周産期医学. 21. 353-355 (1991)
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[Publications] 星野 一正: "癌診療におけるインフォ-ムド・コンセント(座談会)" 癌治寮・今日と明日. 13. 5-15 (1991)
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[Publications] 星野 一正: "告知をめぐる医療倫理の問題" タ-ミナルケア. 1. 39-42 (1991)
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[Publications] 星野 一正: "医療の倫理ー今と昔" OTジャ-ナル. 25. 242-245 (1991)
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[Publications] 星野 一正: "北米の医療をめぐる倫理委員会の発祥" 新医療. 18. 146-147 (1991)
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[Publications] 星野 一正: "カナダにおける子どもの治療に対する診療拒否についての法的規制" タ-ミナルケア. 1. 422 (1991)
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[Publications] 青木 清: "脳死は人間の死かヒトの死か" 生存科学. 2. 43-45 (1991)
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[Publications] 唄 孝一: "医療技術の発展と法" 公法研究. 53. 1-25 (1991)
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[Publications] 唄 孝一: "人工生殖の比較法的研究" 比較法研究. 53. 2-6 105-116 (1991)
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[Publications] 福間 誠之: "脳死臨調の中間意見:ポイントはここだ!残された家族へのグリ-フワ-クを糸統的にアプロ-チできる体制づくりが必要" 月刊ナ-シング. 11. 52-53 (1991)
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[Publications] 福間 誠之: "医師へのタ-ミナル教育ーその必要性と教育目標ー" タ-ミナルケア. 1. 433-434 (1991)
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[Publications] 藤井 正雄: "死の考え方ー仏教からみた死ー" 老年医学. 29. 10-12 (1991)
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[Publications] 木村 利人: "Japan's Dilemna with the Definition of Death" KENNEDY INSTITUTE OF ETHICS JOURNAL. 1. 123-131 (1991)
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[Publications] 木村 利人: "看護とバイオエシックスの発想ー患者の擁護者としてー" メディカル・ヒュ-マニティ. 6. 20-23 (1991)
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[Publications] 木村 利人: "終末期医療における真実告知ー理念・歴史・問題点ー" タ-ミナルケア. 1. 23-26 (1991)
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[Publications] 中谷 瑾子: "WHOヒト臓器移植に関する指針" 日本医事新報. 3713. 91-94 (1991)
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[Publications] 中谷 瑾子: "答申と今後をこう見る" 医療'92. 8. 12-19 (1992)
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[Publications] 星野 一正: "(分担執筆)「バイオエシックス」(書名)『耳鼻咽喉科・頭頸部外科Mook』" 金原出版, 1-8 (1991)
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[Publications] 星野 一正: "(分担執筆)「望ましい医療の在り方とインフォ-ムド・コンセントの意義について」(書名)『今ある医療を考える』コムル医療フォ-ラム報告集" 医療人権センタ-COML(編), 118-124 (1991)
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[Publications] 星野 一正: "医療の倫理" 岩波書店, 250 (1991)
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[Publications] 藤井 正雄: "(分担執筆)「現代の死と仏教者」(書名)『仏教の人間学ー現代教化論への試み』" すずき出版, 234-248 (1991)
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[Publications] 藤井 正雄: "(分担執筆)「Buddhism and bioethics」(書名)『Theological Development in Bioethics』Bioethics Yearbook 1988〜1990" Kulumer Academic Publishers, 61-68 (1991)
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[Publications] 藤井 正雄: "(分担執筆)「脳死と臓器移植ー生活仏教の立場からー」(書名)『「脳死」と臓器移植』" 朝日新聞社, 284-304 (1992)
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[Publications] 藤井 正雄: "(分担執筆)「Note towards the Ideological Basis of Buddhist Bioethics」(書名)大正大学大学院論集16" 288-277 (1992)
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[Publications] 藤井 正雄: "(分担執筆)「二十一世紀の高齢化社会に向けた提言ー宗教の視点からー」(書名)『思老教育の基本と課題』" 群書, 278-290 (1992)
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[Publications] 江見 康一: "(分担執筆)「診療報酬の基本問題」(書名)『社会保障年鑑』" 東洋経済新報社, (1992)
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[Publications] 江見 康一: "(分担執筆)「第2章 健康と医療の経済学」・「解説」(書名)『医療保障』" (1992)
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[Publications] 福間 誠之: "(分担執筆)「4.死とは。1)死の定義3)死の生物学的プロセス」(書名)『タ-ミナル・ケアのための心身医学』" 朝倉書店, 11-15 26-29 (1991)
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[Publications] 福間 誠之: "(分担執筆)「医学教育における医事法の位置」(書名)" 日本評論社, 102-105 (1991)
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[Publications] 木村 利人: "(分担執筆)「Tiduciary Ralationships and the Medical Profession:A Japanese Point of View」(書名)『ETHICS,TRUST,AND THE PROFESSIONS Philosophical and Cultural Aspects』" GEORGETOWN UNIVERSITY PRESS Washington,D.C,235-245 (1991)
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[Publications] 木村 利人: "(分担執筆)「Iurisprudence in Genetics」(書名)『Ethical Issues of Molecular Genetics in Psychiatry』" SpringerーVerlag Berlin Heidelberg, 157-166 (1991)
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[Publications] 木村 利人: "(分担執筆)「Dasudpanische Forschungsprojekt」(書名)『Genomandlyse and Gentherapie』" SpringerーVerlag, 163-170 (1991)
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[Publications] 星野 一正: "(分担執筆)安楽死についてーわが国の場合(書名)FINAL EXIT" 徳間書店, 251-258 (1991)