1993 Fiscal Year Annual Research Report
分子接合を埋め込んだ新LB膜の研究-3次元集積回路の実現を目指して
Project/Area Number |
03402032
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森泉 豊栄 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 高道 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20198261)
工藤 一浩 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10195456)
岩本 光正 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40143664)
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Keywords | ガスセンサ / 分子デバイス / LB膜 |
Research Abstract |
本年度はSPA(Scanning Probe Microscope)装置の導入と、これによる単分子膜中の異種分子の集合状態、分子配列状態の観測を第一目標とした。先ずAFM(原子間力顕微鏡)により標準サンプルである雲母の原子像,及びSTM(走査トンネル顕微鏡)によりグラファイトの原子像を観察した。これにより装置の分解能を評価した後、アラキン酸及びポリイミド分子膜を観察し、100Aオーダの構造を認めたが分子像の観察はできなかった。しかし、SMM(走査マックスウエル応力顕微鏡)を用い表面電位像を観察したところ、アラキン酸と長鎖ローダミン色素、及びアラキン酸とスクアリリウム色素の混合単分子膜において、両分子が相分離してドメインを形成し、各々の分子が持つ分極率の違いにより表面電位の分布が表れる事がわかった。ドメインの大きさは自然混合膜の場合、分子種と表面圧に依存し数μm〜数10μmであったが、4年度に試みた電界印単分子膜展開などを試みれば、ドメインサイズやその分布などを人為的に制御できる可能性があり、分子接合を周期的に配置したデバイスなどを実現することができると思われる。 本年度の第二の目標はパターン化したLB膜の応用として、SAW基板上に複数種のガス吸着膜を成膜し、マルチチャネルの複合型ガスセンサを試作することである。実際にSTカット水晶基板上に2個のSAW共振器(90MHz)を作り、これに部分展開法によりジアルキル化合物ポリイオンコンプレックス、リン脂質、スクアリリウム色素を1μm程度付着させ、3チャネルガスセンサを作り、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル類の匂い物質に対する感度を調べたところ、10Hz/ppm程度の感度と匂いによる出力パターンの違いが得られ、匂いセンサとして充分な性能を持つことが確認された。
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[Publications] 斎藤敦史: "部分的水面キャスト法を用いた多チャンネルSAW化学センサ構築の基礎研究" 電子情報通信学会・信学技報. OME03-7. 39-44 (1993)
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[Publications] Toyosaka Moriizumi: "Partial Casting Method on Water Surface and Preparation of Multi-Channel SAW Chemical Sensor" Korea-Japan Joint Forum '93 Abstructs. 33 (1993)
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[Publications] ティーラモンコンラサミーアーポン: "LB膜のパターニング技術とSAW化学センサへの応用" 電気学会センサ技術研究会資料. ST-93-20. 43-51 (1993)
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[Publications] 浅利征宏: "LB膜塗布水晶振動子ガスセンサのにおい応答" 第41回応用物理学会関係連合講演会. (発表予定). (1994)
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[Publications] 徐宏元: "水晶振動子金電極の分子修飾" 第41回応用物理学会関係連合講演会. (発表予定). (1994)
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[Publications] ティーラモンコンラサミーアーポン: "混合単分子膜の表面電位の観察" 第41回応用物理学会関係連合講演会. (発表予定). (1994)