1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03404004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森沢 正昭 東京大学, 理学部, 教授 (40013594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 英樹 独協医大, 医学部, 助教授 (00049214)
稲葉 一男 東京大学, 理学部, 助手 (80221779)
雨宮 昭南 東京大学, 理学部, 助教授 (30011670)
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Keywords | 精子運動能獲得 / 精子運動開始 / 精子活性化 / 精子走化性 / サケ科魚類 / 海産魚類 / ホヤ / 細胞情報伝達機構 |
Research Abstract |
精子運動機能獲得機構に関しては、シロサケ精子除膜モデルを用い、運動能獲得には鞭毛の細胞及び運動装置・鞭毛軸糸機能の変化の関与を明らかにした。特に前者では膜での細胞情報伝達機構の発現が関与していると考えられる。 精子運動開始機構に関しては、チロシンキナ-ゼの関与を明らかにし、その精製を進めた。 また15Kタンパクの抗血清が精子除膜モデルの運動を抑制することを示し、モノクロ-ナル抗体作製を目指し、次年度にモノクロ-ナル抗体を用いた研究が進展するよう、システムを整えた。また15Kタンパクの遺伝子クロ-ニングの研究を進めるため、シロサケ精巣から大量の試料を調整し研究を進めている。浸透圧変化が運動開始の引金である海産魚、クサフグ・カレイの精子では細胞内Ca^<2+>.pHの変動を蛍光指示薬を用いた画像解析法・蛍光分光光度計による測定を行い、浸透圧増加が細胞内Ca^<2+>.pHの増加を促し、精子運動開始の引金を引くことを明らかにした。更に、イオノフォア・弱塩基・弱酸試薬を用い、人為的に精子運動開始を誘起させることに成功し、この結果からCa^<2+>・pHの関与を決定的なものとした。精子活性化・走化性機構については、ニシン卵由来精子活性化物質を最終的に単一物質にまで精製することに成功し、現在、そのモノクロ-ナル抗体の作製を開始すると共に、活性化物質の遺伝子のクロ-ニングに向けてmRNAの調整を行ったまた、ホヤにおける卵の精子誘引作用の特性について調べ、誘引物質は卵の植物極側より放出されること、濾胞細胞や卵膜には精子誘引作用はないこと、受精によって誘引物質の放出が止まることを明らかにした。また曲座標を用いた走化性の定量法を新しく開発し、走化性の詳細な解析を可能にした。更に研究を進め、この物質が熱安定・低分子量・非タンパク性物質であることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Inada,K.,and Morisawa,M.: "A chymotripsinーlike protease involves in motility of sperm in salmonid fish." Biomed.Res.12. 435-437 (1991)
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[Publications] Inada,K.,Akazome,Y.,and Morisawa,M.: "Two high molecular mass proteases from sea urchin sperm." Biochem.Biophys.Res.Comn.182. 667-673 (1992)
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[Publications] Morisawa,M.,Oda,S.,and Inoda,T.(ed.B.Baccetri): "Initiation of sperm motility by osmolality and calcium in teleostand and amphibia." In"Comparative Spermatology:Proceedings of the Vl International Congress on Spermatology".
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[Publications] Morisawa,S.,Ishida,K.,and Morisawa,M.(ed.B.Baccetti): "The role of extracellular pH on the acquisition of sperm motilityin chum salmon." In"Comparative Spermatology:Proceedings of the Vl International Congress on Spermatology".
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[Publications] Morisawa,M.,Tanimoto,S.,and Ohtake,H.: "Activation of herring spermatozoa caused by proteins released from herringeggs." J.Exp.Zool.
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[Publications] 精子の形成と運動: "発生ープロセスとメカニズム 小林 映司,山上 健次郎 編" 東海大学出版会, 65-88 (1991)