1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452072
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
加藤 祐三 琉球大学, 理学部, 教授 (70004372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 大五郎 琉球大学, 理学部, 助教授 (30112444)
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Keywords | 火山豆石 / 雲仙岳 / 内部構造 / 形状 |
Research Abstract |
雲仙岳では1991年6月8日の夕方、火砕流に伴って高と500mほどの噴煙が生じた。これは折からの南西の風に流され、火山灰とともに火山豆石が北東の山麓に降下・堆積した。噴火のあと、現地の計42地点で火山豆石層の層厚の計測と試料採集を、室内で計1000個の火山豆石試料について直径と歪度の計測を、それぞれ行なった。また、地形図上に層厚・直径・歪度の等値線図を作成した。測定の結果、層厚は最大16mm、火山豆石が確認できた場所での最小は2mm、平均7.6mm/直径は最大8.2mm、最小1.0mm、平均2.4mm、採集地点ごとの直径の平均値は最大3.8mm、最小1.5mm/歪度(cーa)/aの採集地点ごとの平均値は最大0.32、最小0.10、平均0.21である。ここに、cは最大直径、aは最小直径である。層厚・直径・歪度に火口からの距離を加えた計4変数の中から2変数をとって直交座標上での相関をみると、多くの組合せでは相関が弱いが層厚ー歪度の間には他より明瞭な負の相関が認められる。等値線図を見ると層厚と直径で極大となる地点にずれが見られる。このことは火山豆石が大きくなる条件と多数生じる条件とが異なっていることを示唆している。他の変数の組合せよりも相関がよかった層厚と歪度は、等値線図でも頻度傾向がほぼ一致する。このことは火山豆石が多量にできるときは歪んだ形態のものになり易いことを推測させる。薄片を作り内部構造を観察すると規則性が認められない。この火山豆石が低い噴煙から降下したことから判断して、火山豆石を構成する火山灰粒子の膠着剤となったH_2Oは水(液体)だったと考えられる。すなわち水を膠着剤として形成された火山豆石は内部構造に規則性が生じないことを今回の研究結果は示している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 加藤 祐三: "雲仙岳1991年6月8日の火山豆石"
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[Publications] 藤巻 宏和,王 成玉,青木 謙一郎,加藤 祐三: "北部北上山地の階上深成岩体のRbーSr年代"