1992 Fiscal Year Annual Research Report
砂層の液状化、流動化を考慮した砕波帯の漂砂量則に関する研究
Project/Area Number |
03452211
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 哲郎 京都大学, 工学部, 教授 (30026182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 敏之 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (40111918)
土屋 義人 京都大学, 防災研究所, 教授 (90025883)
後藤 仁志 京都大学, 工学部, 助手 (40243068)
間瀬 肇 京都大学, 工学部, 助教授 (30127138)
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Keywords | 沈下 / 海岸ブロック / 波浪 / 液状化 / 砕波帯 / 鉛直有効応力 |
Research Abstract |
昨年度の研究で,試作した周期的加減圧可能振動流発生装置によって,下部砂層表面に進行波による海底面波圧と水粒子運動に相当する水圧変動と振動流を同時に発生させることが出来ることが分かった。今年度当初は,砕波帯のような水粒子速度が大きい場合の漂砂運動としての層状運動(シートフロー)をこの装置で再現し,水圧変動を同時に発生することによって,層状運動における海底面波圧変動の効果,すなわち水圧変動に伴う表面付近の砂層内の間隙水圧変動による波の谷の位相における一時的な鉛直有効応力の減少とその繰り返しが層状運動にどのような影響を与えるかを実験で明らかにする予定であった。しかしながら振動流の流速が層状運動を発生させるのには小さく断念した。代わって異形ブロックのような海岸構造物が海底砂地盤の中に徐々に沈下していく現象を対象として,これまで言われている上記鉛直有効応力の減少とその繰り返しの他に,実際には同時に存在する往復流がどのような影響を与えるかを実験で明らかにする事にした。用いた砂は6号硅砂で50%粒径は約0.25mm,構造物模型として市販のレンガを用いた。変動周期を3秒と6秒とし,圧力変動として全振幅水頭で約130cm,往復流の振幅として最大55cm/s程度の水圧変動と振動流を与えた。その結果,周期が3秒の場合は水圧変動と往復流が同時に作用する場合の構造物沈下量は夫々個々に作用する場合のそれの沈下量を加えたものにほぼ等しいが,周期が6秒の場合は両者が同時に作用する場合の沈下量は個々の場合のそれを加えたものよりさらに増加することが分かった。また圧力変動のみの場合について,構造物の周辺の砂の移動について着色砂を用いて検討したところ,構造物直下の砂は最初下方に移動すると共に上下方向に広がるが,その後上下方向幅は初期のものに減少し,その一方で左右に広がっていくことが分かった。
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Research Products
(1 results)