1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 光男 京都大学, 工学部, 教授 (30016604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 泰一郎 京都大学, 工学部, 助手 (90232305)
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Keywords | 火災時誘導標識 / 色の目立ち / 周辺視 / 色覚 |
Research Abstract |
視覚情報処理の立場から見て建物内での火災発生時に最も重要なことは「非常口」などの避難誘導標識が直ちに目に飛び込んで来るかどうかということであるが、それを左右する重要な要因は標識が人の目に目立つかどうかである。 本研究室ではどの色がよく目立つか、人の目を引くかを2つの方法で検討した。 1.注視点の測定によるもの 人の目は四六時中動いてる。それによって見たい所を見るし、また興味のある所に自然に視線が向くようになっている。そこで本研究室ではこの性質を利用し、円形状に並べられた12種の色票を被験者が見た瞬間にまずどの色票に注視点が行くかを、購入した眼球運動測定装置を利用して測定し、早く注視された色ほどよく目立つという仮定でデ-タを分析した。その結果12色票のうちマンセル色相8Rや10RPなどの赤系の色は最もよく目立ち、逆に8BGなどの青系や緑系は余り目立たないという結果を得た。 2.視野周辺での色の目立ち 避難誘導標識などを人が検出する場合にはまず周辺視野でそれをとらえ、ついでそちらへ視線を移動して標識に書かれた文字などを読むという動作が続く。したがって色の目立ちを調べる際にも、色を周辺視野で見たときにどれだけ目立つかを検討しておかなければならない。そこで本研究では1.で取り上げた全色相をカバ-する12種の色票を、視角で10°,20°,30°,35°の周辺に呈示し、色の目立ち度を測定した。さらに災害時は明るい昼とは限らないので、照度の1000ルクスから0.01ルクスの6段階について検討した。その結果1000ルクスの明るい時でも視野が周辺に行くにつれて目立ち方が減少するもの(赤系)、逆に多少増大するもの(青系)のあること、さらに照度が10ルクスくらいになるとこの傾向が顕著になることなどが明らかとなった。 以上の結果はまだ公表されていないが1992年5月開催の色彩学会にて口頭発表されることになっている。
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