1991 Fiscal Year Annual Research Report
市街地中心部における地下利用実態把握に関する調査研究(主として新宿新都心地区及び武蔵野市吉祥寺駅周辺地区を中心とするケ-ススタディの場合)
Project/Area Number |
03452234
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
中嶋 泰 工学院大学, 工学部・建築学科, 教授 (60100343)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 正 工学院大学, 工学部. 建築学科, 中嶋研究室員
|
Keywords | 都市人口 / 都心業務商業地域 / 地下鉄網 / 地下街面積 / 街路空間 / 地下埋設施設 / 人工地盤施設 / 垂直移動 |
Research Abstract |
都市の立体的土地利用について、主に地下空間利用という視点から考察を試みるために、パリ、ニュ-ヨ-ク、東京、大阪を対象に、都市の展開と地下利用の歴史について論述した。その結果、交通、特に地下鉄の発展と都市の発展、もっと具体的に申すならば、地下鉄網の総延長と都市人口(夜間+昼間)との間に、なんらかの相関があるのではないか、という点が浮上してきた。 次いで、都市の地下利用の現状に次いて調査することを目的に、地下鉄、地下道路、地下街、地下駐車場、地下埋設物などの全体的な地下の利用状況を、札幌、仙台、横浜、名古屋、神戸、福岡に対象に実施した。上記都市施設の中では、地下面積と都市人口、地下街面積と鉄道駅乗降客数の間に、相関関係が認められた。 また、地下街の発達した経過、理由について考察を行った結果、札幌は積雪寒冷都市であること、横浜は、西口と東口との相互連絡があるため、名古屋は、地上の街路空間が余りにも広大すぎるために、人間スケ-ルの賑わい空間を地下に求めた点、神戸は、六甲山地と海岸との狭小なベルト地帯を有効に利用としたため、福岡は、地下鉄の開通に合わせて新しい商業のヘソをつくろうとしたこと、などにそれぞれの地下街形成の理由であることが解った(仙台は未形成である)。 更に、新宿新都心地区の地下利用実態について概査を行った。浄水場跡地ということから、上水道幹線埋設管、また古く開通した地下鉄丸の内線が、比較的浅い部分を占用済みであることから、地下歩行者ネットワ-クの形成に当たっては、車輌系との交通処理以外の面でも、なかなかスム-スに計画できないという課題が実現化しつつあるという状況にある。 吉祥寺駅周辺は、新宿に比較すれば未利用に近いので、今後計画的に整備していく余地は多いと考えられる。
|
Research Products
(1 results)