1991 Fiscal Year Annual Research Report
耐熱性に優れた高剛性制振複合材料の創製に関する研究
Project/Area Number |
03452260
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
二俣 正美 北見工業大学, 工学部, 教授 (60003191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨士 明良 北見工業大学, 工学部, 助教授 (00199275)
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Keywords | 制振材料 / 複合材料 / 溶射皮膜 / 耐熱性 / 高剛性 / セラミックス / 振動・騒音 |
Research Abstract |
振動の低減を目的に各種制振複合材料の開発と実用化が進められている。従来の制振複合材料の多くは、高分子樹脂系の粘弾性層を拘束型あるいは非拘束型に用いたものであるが、樹脂材料は550K程度の温度で熱分解することから、使用可能な温度は高温タイプのものでも400K程度と耐熱性に難点があった。また、樹脂系の軟質な材料では基材の厚さが比較的薄く、剛性の小さい場合にのみ有効であった。 本研究は、耐熱性に優れ、しかも剛性の大きな基材の制振が可能な複合制振材料をプラズマ溶射法による成膜技術の応用によって創製することを目的としたものである。研究実施計画に従い、本年度は以下のような成果を得た。なお、試験片は軟鋼及びアルミニウム基板にアルミナ皮膜を単層及びニッケル合金皮膜と積層構造にしたものが中心であり、制振性能の評価は打撃試験法によって行った。 1.溶射皮膜の形成により振動減衰能は改善される。これら減衰特性は皮膜の構造及び皮膜と基板の厚さの比に依存する。 2.皮膜の形成によって、振動波形の尖頭部は丸味を帯び平坦化する。波形尖頭部の平坦化は振動エネルギ-の減少を意味し、聞こえの大きさを小さくする方向に作用するので、騒音対策上極めて好ましい現象といえる。 3.皮膜の形成によって、共振周波数を高域側にシフト可能なことが明らかになった。高域側への移動は皮膜の厚さ、構造に依存すので、溶射皮膜を共振周波数調整用のデバイスとして使用することが期待できる。 4.皮膜内部の気孔にメッキ法により鉛を充填した場合、減圧溶射法で皮膜を形成した場合等について、制振性能との関係を明らかにした。
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