1991 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造が純粋で重合度分布のないオリゴマ-の合成・単離とその構造化学的研究
Project/Area Number |
03453118
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畑田 耕一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029402)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
右手 浩一 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (30176713)
北山 辰樹 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (60135671)
|
Keywords | メタクリル酸メチル / クロラ-ル / らせん / 立体規則性 / リビング重合 / 超臨界流体クロマトグラフィ- / NMR / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
1.tーBuMgBrおよびtーBuLi/R_3Alによるメタクリル酸メチルの立体規則性リビング重合反応の停止剤に、前者の場合はフェノ-ル、後者ではtーブタノ-ルを用いることにより、停止反応における立体特異性を大幅に改善し、開始末端から停止末端まで高度にイソタクチックまたは高度にシンジオタクチックなオリゴマ-をそれぞれ合成することができた。 2.補助金で購入した超臨界流体クロマトグラフィ-(SFC)により、上記のオリゴマ-の分離条件を検討した。移動相の組成、分離カラムの口径および温度制御の最適化により、1回の分析で50mgの試料を注入しても、50量体程度まで十分な分離が達成できることを見出した。この分離能力は、当初の予想をはるかに上回るものであり、次年度以降の研究計画が効率よく遂行できる見通しがついた。 3.HPLCを用いて単離したメタクリル酸メチルのイソタクチック5量体ならびにシンジオタクチック4量性からは単結晶が得られたので、X線解析によりその結晶構造を明らかにした。立体規則性PMMAの主鎖と側鎖のコンホメ-ションに関する新たな知見が得ららたほか、NMRによるオリゴマ-の立体配置帰属法の妥当性が証明された。 4.CH_3ONaを開始剤としてクロラ-ルのオリゴメリ化反応を行い、末端をCF_3SO_3CH_3を用いてendーcappingすることにより、両末端にメチル基を有するイソタクチックオリゴマ-を合成することに成功した。これらのオリゴマ-は、左右対称なメゾ体であり、不斉炭素に基づく光学異性は存在しない。しかし、不斉識別能を有するHPLCにより、6量体以上は1℃程度の低温で光学分割することができた。この結果は、左右のらせんが溶液中でもそれぞれ安定に存在しうることを示すものであり、コンホメ-ション不斉を有すル直鎖単条オリゴマ-の初めての例である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Koichi Ute: "HelixーSense Reversal of Isotactic Chloral Oligomers in Solution" Journal of the American Chemical Society. 113. 6305-6306 (1991)
-
[Publications] Koichi Ute: "Haloaldehyde Polymers LIII.Optical Resolution of Purely Isotactic Oligomers of Chloral:Optical Activity of the Chloral Oligomers Assuming OneーHanded Helical Conformation in Solution" Polymer Journal. 23. 1419-1424 (1991)
-
[Publications] Koichi Ute: "Stereoregular Oligomers of Methyl Methacrylate 5.Xーray Single Crystal Analysis of Isotactic Pentamer and Syndiotactic Tetramer" Journal of Macromolecular ScienceーChemistry. A29. (1992)